「買取フランチャイズなら未経験でも安心して開業できます」という広告を見かけたことはありませんか。確かに、リユース市場は年々拡大しており、買取ビジネスは成長産業として注目されています。しかし、その裏側では、開業後わずか1年で撤退を余儀なくされる店舗も存在するのが現実です。
この記事では、YouTube取材や業界関係者へのヒアリングを通じて見えてきた「失敗する買取フランチャイズ店舗の共通パターン」を詳しく解説します。失敗を恐れる必要はありませんが、失敗のメカニズムを知ることで、あなたの開業判断がより確かなものになるはずです。成功への第一歩は、リスクを正しく理解することから始まります。
買取フランチャイズ業界の現実—成功率と撤退率の実態
買取フランチャイズへの加盟を検討する前に、まず業界全体の現状を把握しておくことが重要です。リユース市場は確かに成長していますが、それと同時に競争も激化しているという事実を理解する必要があります。
経済産業省の調査によると、日本のリユース市場規模は約2.5兆円に達しており、前年比でも堅調な伸びを示しています。フリマアプリの普及や環境意識の高まりにより、中古品への抵抗感が薄れていることが背景にあります。一見すると、買取ビジネスへの参入は魅力的に見えるでしょう。
しかし、日本フランチャイズチェーン協会のデータを見ると、フランチャイズ加盟店の3年後生存率は約70%、5年後は50%程度と言われています。これは買取業に限らずFC全般の数字ですが、買取業界にも当然当てはまります。つまり、10店舗開業すれば、5年後には半分が撤退しているという計算になります。
買取業特有の撤退要因としては、以下のようなものがあります:
- 在庫リスク:買い取った商品が売れず、資金が固定化される
- 真贋判定の難しさ:偽物を買い取ってしまい大きな損失を出す
- 相場変動:貴金属や為替の影響を受けやすい
- 競合増加:参入障壁の低さから新規店舗が続々と出店
リユース市場は成長しているのに、なぜ失敗する店舗があるのか
「市場が成長しているのに失敗するのはおかしい」と思われるかもしれません。しかし、これは市場拡大と競合増加のジレンマなのです。市場が魅力的であればあるほど、新規参入者が増え、結果として一店舗あたりのパイは小さくなっていきます。
特に買取フランチャイズは「未経験OK」を前面に出している本部が多く、参入障壁の低さが逆に競争激化を招いているのが現状です。同じ商圏内に買取店が乱立すれば、当然ながら買取価格の競争になり、利益率は低下します。
また、フランチャイズ本部によって支援体制には大きな差があります。研修内容、スーパーバイザーの訪問頻度、販路の確保、マーケティング支援など、本部のサポート品質が加盟店の成否を左右するケースが少なくありません。大手チェーンである「大吉」「おたからや」「買取大臣」などは比較的サポート体制が整っていますが、小規模本部の中には名ばかりのサポートしか提供しないところもあるのが実情です。
【失敗パターン①】立地選定の判断ミス—人通りだけでは成功しない
買取フランチャイズで最も多い失敗原因が立地選定のミスです。「駅前の好立地なのに赤字」「家賃が安い物件を選んだら客が来ない」といった声は、撤退オーナーから頻繁に聞かれます。
一般的な小売店であれば、人通りの多い駅前や商店街が理想的な立地とされますが、買取店にはまったく異なる立地選定基準が必要です。なぜなら、買取店は「売る店」ではなく「買う店」だからです。
買取店に必要な立地条件は以下の通りです:
- 車でのアクセスの良さ:大量の不用品を持ち込む客が多い
- 駐車場の有無:最低でも2-3台分は必須
- 周辺人口:商圏内の人口密度と世帯数
- 競合店との距離:近すぎると価格競争、遠すぎると認知不足
- 視認性:道路からの看板の見やすさ
買取店は「売る店」ではなく「買う店」—立地の考え方が逆
この点を理解していないと、致命的な立地ミスを犯してしまいます。例えば、衣料品店や飲食店なら駅前の人通りが多い場所が理想的ですが、買取店の場合、「売りに来る客」をターゲットにする必要があります。
売りに来る客の行動パターンを考えてみましょう。自宅の不用品、例えば古いブランドバッグや貴金属、家電製品などを持ち込む場合、ほとんどの人が車を利用します。電車で大きな荷物を運ぶのは現実的ではないからです。そのため、車でアクセスしやすく、駐車場がある立地が絶対条件となります。
また、買取店は「ついで」に立ち寄る場所ではありません。わざわざ「売りに行こう」という明確な目的を持って来店します。つまり、通行人の多さよりも、「買取店がある」という認知のほうが重要なのです。
競合他社との距離感も重要です。近すぎると価格競争に陥り利益率が下がりますが、遠すぎると商圏内でのシェア獲得が難しくなります。理想的には、車で5-10分程度の距離に競合が1-2店舗ある程度が、適度な競争環境と言えるでしょう。
【実例】商店街の空き店舗で開業→半年で撤退したケース
ある加盟オーナーは、地方都市の商店街にある空き店舗で買取店を開業しました。家賃が相場の半額程度と安く、「初期投資を抑えられる」という判断からでした。しかし、これが失敗の始まりだったのです。
その商店街は高齢化が進んでおり、若い世代は郊外のショッピングモールに流れていました。商店街を訪れるのは近隣の高齢者が中心で、ブランド品や高額商品の買取ニーズがほとんどありませんでした。持ち込まれるのは古い衣類や雑貨ばかりで、利益の出る買取がほとんどできなかったそうです。
さらに致命的だったのが駐車場がなかったことです。商店街には公共駐車場がありましたが、そこから店舗まで徒歩5分。大きな荷物を運ぶには不便で、多くの見込み客が競合の郊外店に流れてしまいました。
結局、オーナーは開業からわずか半年で撤退を決断。初期投資約400万円のうち、回収できたのは100万円程度だったといいます。「家賃の安さだけで決めたのが間違いでした。立地の重要性を軽く見ていました」と後悔の言葉を語っていました。
【失敗パターン②】買取知識・真贋スキル不足による在庫リスク
多くのフランチャイズ本部が「未経験でも大丈夫」「研修があるから安心」と謳っていますが、これを鵜呑みにするのは危険です。本部の研修と実務で求められるスキルには大きなギャップがあり、このギャップを埋められないオーナーが失敗しています。
買取業で最も重要なスキルは、真贋判定(本物か偽物かを見極める力)と相場感(適正価格で買い取る力)です。この2つのスキルが不足していると、以下のようなリスクが発生します:
- 偽物を本物として高額買取してしまう:1回のミスで数十万円の損失
- 相場より高く買い取りすぎる:利益が出ない、または赤字に
- 相場より安く買い取りすぎる:顧客満足度が下がり、悪評が広がる
- 買取を断りすぎる:機会損失が増え、売上が伸びない
「本部の研修だけ」では現場で通用しない理由
一般的なフランチャイズ本部の研修期間は2週間から1ヶ月程度です。この期間で座学や実習を通じて基礎知識を学びますが、これだけで現場の真贋判定ができるようになるわけではありません。
特にブランド品の真贋判定は、「経験値」がものを言う世界です。ルイ・ヴィトンやエルメス、ロレックスなどの高級ブランドは、精巧な偽物が市場に出回っており、細部まで確認しないと見分けがつきません。ステッチの間隔、金具の刻印、シリアルナンバーの位置など、チェックポイントは多岐にわたります。
ある元オーナーは、研修直後に「ルイ・ヴィトンのバッグ」として30万円で買い取ったものが、後日偽物と判明し、大きな損失を出した経験を語っていました。「研修では『こういう点をチェックする』と教わりましたが、実際の偽物を見たことがなかったので、判断できませんでした」とのことです。
また、相場感も一朝一夕には身につきません。貴金属の相場は日々変動しますし、ブランド品の人気モデルも季節やトレンドで変わります。この感覚を掴むには、最低でも半年から1年の実務経験が必要と言われています。
在庫を抱えすぎて資金繰りが悪化するパターン
買取知識が不足していると、「買い取ったものが売れない」という悪循環に陥ります。これが在庫リスクです。
買取店の利益構造は単純です。安く買い取って、高く売る。その差額が粗利益になります。しかし、売れない商品を買い取ってしまうと、現金が在庫に変わってしまい、次の買取資金が不足します。これが続くと、キャッシュフローが悪化し、経営が立ち行かなくなります。
特に危険なのが以下のような商品です:
- 季節商品:冬物コートを夏に買い取ると、売れるまで半年待つことに
- 流行遅れ品:数年前の人気モデルは需要がなく、値下げしても売れない
- 大型家具・家電:保管場所を圧迫し、処分にもコストがかかる
- ニッチな趣味の品:コレクターアイテムは買い手が限定的
国民生活センターの調査によると、買取トラブルの中には「買い取った商品を転売できず、事業者が廃業」というケースも報告されています。在庫管理は買取業の生命線であり、「売れる商品だけを買い取る目利き力」が求められるのです。
【失敗パターン③】集客・マーケティング施策の欠如
「店を出せば客が来る」という考えは、今の時代では通用しません。特に買取店は、顧客が「売りたいものがある時」にしか来店しないため、継続的な認知活動とリピーター施策が不可欠です。
新規出店時は、フランチャイズ本部がチラシ配布やグランドオープンのサポートをしてくれることが多いですが、その後の集客は基本的にオーナー自身の責任になります。ここで手を抜くと、開業直後の初速だけで終わり、その後は客足が遠のいていきます。
チラシ配布だけでは買取客は来ない時代
一昔前なら、ポスティングチラシだけでも一定の集客効果がありました。しかし、現代ではデジタルマーケティングの重要性が増しています。
特に重要なのが以下の3つです:
- Googleマイビジネス:「近くの買取店」で検索した時に上位表示される
- Googleレビュー:高評価が多いと信頼性が高まり、来店率が上がる
- SNS(Instagram、X):買取実績を投稿し、認知度を高める
ある成功オーナーは、「Googleマイビジネスに力を入れたおかげで、『近くの買取店』検索からの来店が月間30件以上ある」と語っています。一方、失敗したオーナーの多くは「チラシを撒いても反応がなく、何をしていいかわからなかった」と述べています。
また、口コミの影響力も無視できません。Googleレビューで星3以下の評価が目立つ店舗は、見込み客が敬遠します。逆に星4.5以上で、具体的な良い口コミが並んでいる店舗は、それだけで信頼性が高まり、来店のハードルが下がります。
リピーター獲得施策がない店舗の末路
買取は「一度きり」のビジネスではありません。一度売りに来た顧客は、数ヶ月後、数年後にまた不用品が出た時に再来店する可能性があります。しかし、リピーター施策がない店舗は、この機会を逃してしまいます。
リピーター獲得のために成功店舗が実施している施策:
- 顧客データベースの管理:メールアドレスやLINE登録で再来店を促す
- 定期的なキャンペーン案内:「貴金属買取強化月間」など
- アフターフォロー:買取後にお礼メッセージを送る
- 紹介特典:友人を紹介すると割増買取などのインセンティブ
失敗店舗の多くは、買取したら「終わり」で、その後のフォローがありません。これでは、顧客が次に売りたいものが出た時に、他店に流れてしまいます。顧客生涯価値(LTV)を高める視点が、長期的な経営安定には不可欠なのです。
【失敗パターン④】FC本部選びのミスマッチ—契約後に気づく「こんなはずじゃなかった」
フランチャイズ本部との相性は、開業後の成否に直結します。「有名だから」「初期費用が安いから」という理由だけで選ぶと、契約後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースが少なくありません。
「高額ロイヤリティ」が経営を圧迫する仕組み
フランチャイズ本部に支払うロイヤリティには、大きく分けて2つのタイプがあります:
- 売上型ロイヤリティ:売上の5-10%を支払う
- 定額型ロイヤリティ:月額5-15万円を固定で支払う
どちらが有利かは、売上規模によって変わります。売上が少ない初期段階では定額型が有利ですが、売上が伸びてくると売上型のほうが総額では低くなることもあります。
問題は、粗利益率とロイヤリティのバランスです。買取業の粗利益率は一般的に20-30%程度と言われています。月間売上が300万円、粗利益率25%なら、粗利益は75万円です。ここから、家賃15万円、人件費20万円、ロイヤリティ10万円(売上の3.3%)を引くと、残りは30万円です。さらに光熱費や広告費を引けば、オーナーの手取りは20万円程度になってしまいます。
ある元オーナーは「売上は順調に伸びたのに、ロイヤリティが高くて手元にお金が残らなかった。計算してみたら、時給換算で1,000円以下でした」と語っていました。契約前に必ず損益シミュレーションを行い、ロイヤリティを支払っても十分な利益が残るかを確認することが重要です。
SV(スーパーバイザー)の訪問頻度とサポート品質
フランチャイズ本部の価値は、ロイヤリティに見合ったサポート品質にあります。特に重要なのが、SV(スーパーバイザー)による定期訪問です。
優良な本部では、SVが月1-2回店舗を訪問し、以下のようなサポートを提供します:
- 売上分析と改善提案
- 買取査定のアドバイス
- 在庫管理の指導
- 新商品情報の共有
- オーナーの悩み相談
しかし、中には「月1回訪問」と謳いながら、実際は電話での確認だけで済ませる本部もあります。特に問題が起きた時の対応スピードに差が出ます。「偽物を買い取ってしまったかもしれない」という緊急時に、すぐに駆けつけてくれる本部と、「後日連絡します」で終わる本部では、オーナーの安心感がまったく違います。
また、オーナー同士の横の繋がりも重要です。定期的にオーナー会や勉強会を開催している本部は、ノウハウ共有や情報交換ができ、孤独感が軽減されます。一方、オーナーが完全に孤立している本部では、トラブルが起きた時に相談相手がおらず、精神的に追い詰められてしまいます。
買取後の販路—本部に売却 vs 自社で販売
買い取った商品をどう販売するかは、ビジネスモデルの根幹に関わります。大きく分けて2つのパターンがあります:
- 本部買取型:買い取った商品を本部に卸し、本部が販売する
- 自社販売型:自店舗またはオンラインで自分で販売する
本部買取型のメリットは、在庫リスクがなく、すぐに現金化できることです。買い取ったその日に本部に送れば、数日後に入金されます。デメリットは、本部への卸値が低く設定されるため、粗利益率が下がることです。
自社販売型のメリットは、販売価格を自分で決められるため、粗利益率が高くなることです。デメリットは、在庫リスクを自分で負い、販売チャネル(店頭、メルカリ、ヤフオクなど)を自分で管理する手間がかかることです。
失敗例として多いのが、「自社販売のつもりで開業したが、販路確保ができず在庫の山に」というパターンです。オンライン販売は簡単そうに見えますが、商品撮影、説明文作成、発送作業、クレーム対応など、意外に手間がかかります。これを片手間でやろうとすると、本業の買取業務に支障が出てしまいます。
【失敗パターン⑤】資金計画の甘さ—開業資金だけでは足りない現実
「初期費用500万円あれば開業できます」という本部の説明を鵜呑みにして、ギリギリの資金で開業すると、開業後の運転資金不足に陥ります。
「初期費用500万円」だけでは開業できない理由
フランチャイズ本部が提示する初期費用には、以下が含まれています:
- 加盟金:100-200万円
- 保証金:50-100万円
- 研修費:20-50万円
- 開業準備金:50-100万円
- 設備・什器:100-200万円
しかし、これだけでは実際には開業できません。別途必要になる費用として:
- 物件取得費:敷金・礼金・仲介手数料(家賃の4-6ヶ月分)
- 内装工事費:スケルトン物件なら200-300万円
- 看板・外装工事:50-100万円
- 開業後の仕入れ資金:買取資金として最低200万円
- 運転資金:家賃・人件費・光熱費の6ヶ月分
- 生活費:開業後1年間の自分と家族の生活費
これらを合計すると、総額で1,000-1,500万円は必要という計算になります。500万円だけで開業すると、開業後3ヶ月で資金ショートする可能性が高いのです。
日本政策金融公庫の調査によると、創業融資を受けた事業者の平均借入額は約900万円です。これは、初期費用以外の運転資金も含めた金額であり、余裕を持った資金計画の重要性を示しています。
損益分岐点到達までの「我慢期間」を耐えられるか
買取フランチャイズの損益分岐点到達までの期間は、平均で12-18ヶ月と言われています。つまり、最初の1年間は赤字が続く覚悟が必要です。
特に最初の3ヶ月は、認知度がなく来店客も少ないため、売上が思うように上がりません。この期間を「種まき期間」と割り切り、広告宣伝やチラシ配布に投資する必要がありますが、ここで資金が尽きてしまうと、せっかく始めた事業を諦めざるを得なくなります。
ある元オーナーは、「開業後6ヶ月で貯金が底をつき、追加融資を申し込んだが断られた。仕方なく自宅を担保に借り入れたが、結局1年で撤退。借金だけが残りました」と語っていました。
金融機関からの追加融資は、赤字が続いている状態では非常に難しいです。だからこそ、開業前に十分な自己資金と、最低1年間は無収入でも耐えられる生活防衛資金を確保しておくことが重要なのです。
失敗を避けるための5つのチェックポイント
ここまで失敗パターンを見てきましたが、これらは決して「避けられない運命」ではありません。事前にしっかりとリサーチし、準備を怠らなければ、失敗リスクを大幅に下げることができます。以下の5つのチェックポイントを必ず確認してください。
✅ チェック①:FC本部の既存オーナーに直接話を聞いたか?
フランチャイズ本部が提供する資料や説明会は、当然ながら「良い面」ばかりが強調されています。本当の実態を知るには、既存オーナーに直接話を聞くことが不可欠です。
本部に「既存オーナーを紹介してください」と依頼すると、たいていは「成功しているオーナー」を紹介されます。それだけでは不十分で、以下の方法も試してください:
- 実際に店舗を訪問し、オーナーに話しかける
- SNSやオーナーブログを探す
- 業界の掲示板や口コミサイトをチェックする
- 可能であれば、撤退したオーナーを探して話を聞く
特に「撤退したオーナーの声」は貴重です。失敗の原因が本部のサポート不足だったのか、オーナー自身の問題だったのかを見極めることができます。
✅ チェック②:最低1年間無収入でも生活できる資金はあるか?
開業資金とは別に、生活防衛資金を確保しておくことが重要です。目安としては、家族の生活費1年分です。
自己資金の考え方として、「3割ルール」があります。総投資額の30%は自己資金で賄い、残り70%を融資で調達するというものです。例えば、総投資額1,000万円なら、自己資金300万円、融資700万円です。
しかし、これはあくまで「事業資金」の話です。これとは別に、個人の生活費を確保しておかないと、事業が軌道に乗る前に精神的に追い詰められてしまいます。
家族の理解も重要です。配偶者や家族に「最初の1年間は給料がないかもしれない」ことを説明し、協力を得ておくことで、精神的な負担が軽減されます。
✅ チェック③:立地は「買取に来る客」目線で選んだか?
立地選定では、以下のポイントを必ずチェックしてください:
| チェック項目 | 理想的な条件 |
|---|---|
| 車でのアクセス | 主要道路から1分以内、わかりやすい場所 |
| 駐車場 | 最低2-3台、店舗前にあることが理想 |
| 商圏人口 | 半径3km以内に3万人以上 |
| 競合店 | 車で5-10分圏内に1-2店舗 |
| 視認性 | 道路から看板が見える、目立つ外観 |
また、実際に現地を何度も訪れ、以下を確認してください:
- 平日・休日の交通量
- 周辺住民の年齢層・所得層
- 競合店の混雑状況
- 駐車場の使い勝手
不動産業者任せにせず、自分の足で調査することが失敗を防ぐ第一歩です。
✅ チェック④:真贋判定・商品知識の習得に時間を投資できるか?
フランチャイズ本部の研修だけでは不十分です。開業前に、自主的に以下の学習をすることを強くおすすめします:
- 専門書を読む:ブランド品鑑定、貴金属の知識に関する書籍
- 業界セミナーに参加:日本流通自主管理協会(AACD)などが開催
- オークションサイトで相場を学ぶ:ヤフオク、メルカリで実際の取引価格を調査
- 競合店で買取査定を受けてみる:査定の流れや接客を体験する
また、開業後も継続的に学習する姿勢が必要です。新しいブランドや偽物の手口は日々進化しているため、常に最新情報をキャッチアップすることが求められます。
✅ チェック⑤:「撤退ライン」を事前に決めているか?
最後に、最も重要なのが「撤退ライン」の設定です。感情に流されず、数字で判断するための基準を事前に決めておくことです。
例えば:
- 「開業後12ヶ月で月商150万円に届かなければ撤退」
- 「累積赤字が500万円を超えたら撤退」
- 「自己資金が100万円を切ったら撤退」
このラインを事前に決めておくことで、ズルズルと赤字を垂れ流すことを防げます。多くの失敗オーナーが「もう少し頑張れば」と思い込み、撤退のタイミングを逃して借金を膨らませてしまいます。
冷静な判断をするためには、毎月の数字(売上、粗利益、経費、純利益)を必ず記録し、定期的に見直すことが重要です。経営は感情ではなく、数字で判断するものだということを忘れないでください。
【FAQ】買取フランチャイズ失敗に関するよくある質問
Q1. 買取フランチャイズの失敗率は何%くらいですか?
公式な統計データはありませんが、業界関係者や撤退オーナーへのヒアリングから推測すると、開業後3年で約30-40%が撤退していると言われています。
これは一般的な飲食店フランチャイズの失敗率(3年で約50%)よりは低い数字ですが、決して「安全」とは言えません。買取業は在庫リスクや真贋判定という特有の難しさがあるため、安易に参入すると失敗する可能性があります。
Q2. 失敗した場合、借金はどのくらい残りますか?
初期投資額や撤退のタイミングによって大きく異なりますが、一般的なケースで計算してみましょう。
例:初期投資1,000万円(自己資金300万円、借入700万円)で開業し、1年後に撤退した場合:
- 残債:約600万円(元金返済が進んでいない)
- 在庫処分損:約100万円(買取価格の50%で処分)
- 原状回復費用:約50-100万円
- 合計:750-800万円の負債
最悪のケースでは、自己資金300万円は全額失い、さらに500万円以上の借金が残る可能性があります。これを返済するには、会社員に戻って数年かけて返済するか、個人再生・自己破産を検討することになります。
Q3. 未経験者と経験者、どちらが失敗しやすいですか?
意外に思われるかもしれませんが、「業界経験者」の失敗も決して少なくありません。理由は以下の通りです:
- 過信による立地選びミス:「経験があるから大丈夫」と安易に判断
- FC本部への依存不足:「自分のやり方」に固執して本部の助言を軽視
- 時代の変化への対応遅れ:昔のやり方が今は通用しない
一方、未経験者は「わからないこと」を素直に本部に相談し、マニュアル通りに実行することで成功するケースもあります。重要なのは経験の有無ではなく、学ぶ姿勢と謙虚さです。
Q4. 大手FCと小規模FCではどちらが失敗リスクが高いですか?
どちらが良いかは一概には言えず、「自分のタイプ」との相性が最も重要です。
| 比較項目 | 大手FC | 小規模FC |
|---|---|---|
| ロイヤリティ | 高い(売上の5-10%) | 低い(月額5-10万円) |
| 支援体制 | 手厚い(SVの定期訪問、研修充実) | 薄い(基本は自力経営) |
| ブランド力 | 高い(認知度あり) | 低い(自分で集客必要) |
| 自由度 | 低い(マニュアル厳守) | 高い(独自施策OK) |
| 向いている人 | 未経験者、安定志向 | 経験者、自由志向 |
未経験者が小規模FCに加盟すると、サポート不足で失敗しやすいですし、経験者が大手FCに加盟すると、マニュアルに縛られて窮屈に感じることがあります。
Q5. 失敗しても再チャレンジは可能ですか?
法的には可能ですが、現実的にはハードルが高いです。理由は以下の通りです:
- 信用情報:借入金の返済が滞ると、いわゆる「ブラックリスト」に載り、新規融資が受けられない
- 精神的ダメージ:失敗の傷は深く、再チャレンジへの恐怖心が残る
- 家族の反対:一度失敗すると、家族の理解を得るのが難しい
ただし、失敗から学んだ教訓を活かし、「なぜ失敗したのか」を徹底的に分析した上で再チャレンジした人の中には、成功している例もあります。重要なのは、同じ失敗を繰り返さないための改善策を持っているかどうかです。
まとめ
買取フランチャイズは、市場の成長性や参入のしやすさから魅力的なビジネスに見えますが、失敗するオーナーも一定数存在するのが現実です。しかし、失敗には明確なパターンがあり、それを理解して事前に対策を講じることで、リスクを大幅に下げることができます。
この記事で解説した重要な3つのポイントを再確認しましょう:
- 立地は「買取客目線」で選ぶ:駅前の人通りではなく、車でのアクセスと駐車場を最優先に
- FC本部は「契約前の徹底調査」で見極める:既存オーナーへのヒアリング、サポート体制の確認、ロイヤリティのシミュレーションを怠らない
- 資金計画は「最悪を想定」して余裕を持つ:初期投資だけでなく、最低1年間の運転資金と生活費を確保する
失敗を恐れる必要はありません。しかし、失敗パターンを知り、それを避ける準備をすることが成功への近道です。感情ではなく数字で判断し、撤退ラインも事前に決めておくことで、致命的な損失を防ぐことができます。
次のステップとしては、まず複数のFC本部に資料請求し、説明会に参加してください。そして、必ず既存オーナーに直接話を聞くことをおすすめします。YouTube「フランチャイズ探偵団」では、実際の失敗オーナーや成功オーナーのインタビューも公開していますので、リアルな声を参考にしてください。
あなたの買取フランチャイズ開業が成功することを心から応援しています。

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