「高齢化社会で需要が伸びる」と言われる介護フランチャイズですが、実際には収益悪化で撤退するオーナーも少なくありません。その最大のリスクが「保険報酬改定」による収入減少です。介護事業は売上の大部分が国の制度に依存するため、3年ごとの報酬改定が経営に直接影響します。この記事では、フランチャイズ探偵団が取材した実例をもとに、介護フランチャイズが失敗する3つの理由と、リスクを最小化する具体的な対策を解説します。参入を検討している方は、介護事業の特殊性を理解した上で、慎重に判断してください。
介護フランチャイズが「儲からない」と言われる実態
介護フランチャイズは本当に儲かるのでしょうか。結論から言うと、介護事業の平均営業利益率は5-8%程度と、他業種のフランチャイズと比較して低水準です。厚生労働省の介護事業経営概況調査によると、訪問介護事業所の営業利益率は約3.2%、通所介護(デイサービス)でも約5.7%にとどまっています。
一般的な飲食フランチャイズの営業利益率が10-15%、コンビニエンスストアが8-12%程度であることを考えると、介護フランチャイズの収益性は決して高くありません。さらに、東京商工リサーチの調査では、2023年の介護事業者倒産件数は過去最多を更新し、143件に達しました。これは前年比で約25%の増加です。
介護事業の収益構造の特殊性
介護フランチャイズが儲かりにくい最大の理由は、その特殊な収益構造にあります。一般的なビジネスと異なり、以下の3つの制約があります。
- 売上の大部分が保険報酬:収入の8-9割が介護保険からの給付で、国の制度に完全に依存
- 利用者の自己負担は1-2割のみ:価格競争による差別化が困難
- 価格設定の自由度がほぼゼロ:サービス単価は国が定める介護報酬で固定
つまり、どれだけ優れたサービスを提供しても、売上単価を自由に上げることができないのです。飲食店のように「高品質だから高価格」という戦略が取れないため、収益改善の手段が限られています。
実際のオーナーが語る収益実態
フランチャイズ探偵団が取材した訪問介護事業のオーナーAさん(仮名)は、開業当初の収支について次のように語っています。「初年度の月商は約180万円でしたが、人件費や家賃、ロイヤリティを差し引くと、手元に残るのは月15万円程度でした。想定していた利益の半分以下です」
開業3年目までの典型的な収支推移パターンは以下の通りです。
- 1年目:利用者獲得に苦戦、赤字または薄利
- 2年目:利用者が安定し、ようやく黒字化
- 3年目:保険報酬改定の影響を受け、収益が悪化
このように、ようやく軌道に乗ったと思った矢先に報酬改定が直撃し、収益計画の見直しを余儀なくされるケースが非常に多いのです。
保険報酬改定で収益悪化する3つの理由
介護フランチャイズの経営を左右する最大の要因が、3年ごとに実施される保険報酬改定です。この改定により、介護サービスの単価が変更され、事業者の収益に直接影響します。近年はマイナス改定の傾向が続いており、多くの事業者が収益悪化に苦しんでいます。
厚生労働省の公式資料によると、2024年度の介護報酬改定では全体で+1.59%の引き上げとなりましたが、これは処遇改善加算を含めた数字であり、基本報酬は実質的に引き下げられたサービスも多数あります。ここでは、報酬改定が収益を悪化させる3つの理由を具体的に解説します。
理由①:報酬単価の引き下げが直接利益を圧迫
2024年度の介護報酬改定では、訪問介護の基本報酬が平均で約2-3%引き下げられました。具体的には、身体介護(30分以上1時間未満)の場合、1回あたりの報酬が約25単位(1単位=10円として計算すると250円)減少しています。
この影響を具体的に試算してみましょう。月間利用者50名、1人あたり月8回のサービス提供を行っている訪問介護事業所の場合を想定します。
- 月間サービス提供回数:50名 × 8回 = 400回
- 1回あたりの減収:250円
- 月間減収:400回 × 250円 = 10万円
- 年間減収:120万円
営業利益率が5%程度の事業では、年間120万円の減収は利益を大きく圧迫します。初期投資の回収計画が狂い、融資返済に支障をきたすケースも少なくありません。
理由②:加算要件の厳格化でコスト増
報酬改定では基本報酬の引き下げと同時に、加算要件が厳格化される傾向にあります。加算とは、一定の条件を満たした事業所が受け取れる追加報酬のことですが、その取得条件が年々複雑になっています。
2024年度改定で特に影響が大きかったのが、以下の3つの変更です。
- 処遇改善加算:介護職員の賃金改善を目的とした加算ですが、賃金水準の引き上げが必須条件となり、人件費が上昇
- 特定事業所加算:サービス提供体制の強化に対する加算ですが、常勤職員の配置基準が厳しくなり、採用コストが増加
- 科学的介護推進体制加算:データ入力・管理システムへの投資が必要となり、初期費用として50-100万円程度の負担
加算を取得できれば収入は増えますが、そのために必要な人件費やシステム投資が先行するため、キャッシュフローが悪化します。特に開業間もない事業所にとっては、大きな負担となります。
理由③:競合増加による利用者獲得難
保険報酬改定により経営環境が厳しくなると、体力のない事業者が撤退する一方で、新規参入も続いているのが介護業界の特徴です。厚生労働省の統計によると、訪問介護事業所数は2023年時点で約3.5万か所と、10年前と比較して約1.3倍に増加しています。
利用者を獲得するためには、ケアマネージャー(介護支援専門員)との関係構築が不可欠です。ケアマネージャーが作成するケアプランに自社のサービスを組み込んでもらう必要がありますが、競合が増えるほどこの営業活動が困難になります。
さらに、地域包括ケアシステムの推進により、地域密着型サービスへの移行が進んでいます。大手チェーンよりも地元に根ざした事業者が優先される傾向があり、フランチャイズという看板だけでは利用者を集めにくくなっています。
失敗する介護フランチャイズの3つの典型パターン
介護フランチャイズで失敗するオーナーには、いくつかの共通パターンがあります。ここでは、実際の失敗事例をもとに、3つの典型的なパターンを紹介します。これらを知ることで、同じ轍を踏まないための参考にしてください。
パターン①:初期投資回収前に報酬改定が直撃
最も多い失敗パターンが、開業から2-3年目に保険報酬改定を迎えるケースです。訪問介護事業を開業したBさん(仮名)の事例を見てみましょう。
Bさんは2022年4月に訪問介護フランチャイズに加盟し、初期投資800万円(加盟金200万円、設備費300万円、運転資金300万円)で開業しました。1年目は利用者獲得に苦戦し、月の利益は5万円程度。2年目にようやく月20万円の利益が出るようになり、順調に見えました。
ところが、2024年4月の報酬改定により、月の収入が約10%減少。月180万円あった売上が162万円に落ち込み、利益は月8万円程度まで圧縮されました。融資の返済が月15万円あったため、完全に赤字に転落してしまったのです。
このケースの問題点は、報酬改定リスクを織り込んだ事業計画を立てていなかったことです。フランチャイズ本部からも具体的なサポートがなく、対応策を見いだせないまま資金繰りが悪化し、開業3年目で撤退を余儀なくされました。
パターン②:人材確保に失敗し人件費が高騰
介護業界は慢性的な人手不足に悩まされており、求人コストと人件費の高騰が経営を圧迫するケースが増えています。デイサービスを運営するCさん(仮名)の事例です。
Cさんは開業時、ハローワークと折り込みチラシで職員を募集する計画でした。しかし、実際には応募がほとんどなく、やむを得ず人材紹介会社を利用することに。1人採用するごとに年収の30%相当、約100万円の紹介手数料が発生しました。
さらに、常勤職員が確保できず、派遣スタッフに頼る悪循環に陥りました。派遣スタッフの時給は正社員の1.5-2倍かかるため、人件費比率が70%を超えてしまい、ほとんど利益が残らない状態が続いています。
このパターンの失敗要因は、人材確保の難易度を甘く見ていたことです。特に地方では介護職員の確保がさらに困難で、想定外のコストが発生するリスクが高くなります。
パターン③:地域のニーズ調査不足で空き発生
「高齢者が多い地域だから需要がある」という安易な判断で立地を選び、失敗するパターンも少なくありません。デイサービスを開業したDさん(仮名)の事例です。
Dさんは人口の30%が65歳以上という地域で、「これだけ高齢者がいれば大丈夫」と判断し、デイサービスを開業しました。しかし、実際に蓋を開けてみると、定員20名に対して平均利用者は12名程度。稼働率60%では採算が取れず、慢性的な赤字状態が続いています。
後から分かったことですが、その地域には既に競合デイサービスが3か所あり、さらに近隣に大型の介護施設も複数ありました。高齢者人口は多くても、「要介護認定を受けている人」「実際にデイサービスを必要としている人」は限られていたのです。
このケースの教訓は、表面的な人口統計だけで判断してはいけないということです。実際の要介護認定者数、競合の数と稼働状況、ケアマネージャーのネットワークなど、多角的な調査が必要です。
介護フランチャイズのリスクを最小化する5つの対策
ここまで介護フランチャイズのリスクと失敗事例を見てきましたが、適切な対策を講じることで、失敗の確率を大幅に下げることは可能です。以下、実践可能な5つの具体的対策を、優先順位の高い順に解説します。
対策①:報酬改定リスクを織り込んだ事業計画作成
最も重要なのは、保険報酬改定で10%減収しても耐えられる事業計画を立てることです。具体的には以下の3点を実践してください。
- 収支計画は保守的に:売上は想定の80%、経費は想定の120%で計算する
- 自己資金比率を高める:最低でも初期投資の30%以上、できれば50%は自己資金で賄う
- 固定費を圧縮:家賃は売上の10%以内、フランチャイズ加盟料やロイヤリティは交渉の余地がないか確認
例えば、初期投資1,000万円のデイサービスを開業する場合、最低でも300万円の自己資金を用意し、融資返済額が月10万円以内に収まるよう調整します。これにより、報酬改定で売上が減少しても、すぐに資金繰りが破綻するリスクを回避できます。
対策②:加算取得の徹底で単価アップ
基本報酬が下がる中で収益を確保するには、各種加算を確実に取得することが不可欠です。取得しやすい加算を優先順位順に示します。
- 特定事業所加算:常勤職員の配置とサービス提供体制の整備で取得可能。訪問介護の場合、1回あたり50-100単位の加算
- 処遇改善加算:職員の処遇改善計画を作成し、賃金改善を実施することで取得。月額1-3万円程度の加算
- 初回加算・緊急時訪問看護加算:比較的取得しやすく、月数千円-1万円程度の増収が見込める
月間利用者50名の訪問介護事業所で特定事業所加算Ⅰを取得した場合、月額約15-20万円、年間180-240万円の増収が見込めます。これは営業利益率5%の事業にとって、非常に大きなインパクトです。
対策③:複数事業の組み合わせでリスク分散
1つの事業形態に依存せず、複数のサービスを組み合わせることでリスクを分散できます。具体的な組み合わせ例は以下の通りです。
- 訪問介護 + 福祉用具レンタル:既存の利用者に福祉用具を提案し、レンタル収入を得る
- デイサービス + 配食サービス:デイサービス利用者に夕食の配達サービスを提供
- 介護保険サービス + 自費サービス:保険外の家事代行や見守りサービスを併設し、価格設定の自由度を持たせる
ただし、フランチャイズ契約で他事業の展開が制限されていないか、必ず確認してください。契約内容によっては、競合となる事業が禁止されているケースがあります。
対策④:本部のサポート体制を契約前に徹底確認
フランチャイズ本部を選ぶ際、最も重要なのが報酬改定時の具体的な支援実績です。以下の質問を本部にぶつけてみてください。
- 「前回の報酬改定時、加盟店の収益はどう変化しましたか?」
- 「報酬改定への対応策として、どんな支援を提供していますか?」
- 「加算取得のためのノウハウ提供や書類作成サポートはありますか?」
- 「人材採用支援の具体的な内容を教えてください」
曖昧な回答しか返ってこない本部は要注意です。既存加盟店の実績データを開示してもらうことも重要です。成功事例だけでなく、苦戦している店舗の状況も正直に教えてくれる本部の方が信頼できます。
対策⑤:開業前の徹底した市場調査
失敗を避けるために最も重要なのが、開業前の徹底的な市場調査です。以下のステップで調査を進めてください。
- 競合マップの作成:半径3km以内の介護事業所をリストアップし、サービス内容・定員・稼働状況を調査
- ケアマネージャーへのヒアリング:地域のケアマネージャーに直接話を聞き、「不足しているサービス」「需要の高いサービス」を把握
- 要介護認定者数の推移確認:市区町村の公式サイトで過去5年間の要介護認定者数の推移をチェック。増加傾向にあるか確認
特に重要なのはケアマネージャーへのヒアリングです。実際にケアプランを作成している専門家の意見は、机上の統計データよりもはるかに価値があります。開業予定地の地域包括支援センターを訪問し、率直に相談してみることをおすすめします。
それでも介護フランチャイズを選ぶメリットはあるのか?
ここまでリスクや失敗事例を中心に解説してきましたが、介護フランチャイズにはメリットも確かに存在します。リスクとメリットを両方理解した上で、自分に合った選択をすることが重要です。
需要の安定性と社会貢献性
内閣府の推計によると、日本の高齢化率(65歳以上の人口割合)は2023年時点で約29%ですが、2040年には35%を超える見込みです。特に75歳以上の後期高齢者は今後10年間で急増し、介護サービスの需要は確実に伸びていきます。
また、介護事業は地域に必要不可欠なインフラです。利用者やその家族から直接感謝される機会も多く、社会貢献性の高さにやりがいを感じるオーナーは少なくありません。「地域に貢献しながらビジネスをしたい」という価値観を持つ人には、魅力的な選択肢と言えます。
ただし、繰り返しになりますが「需要がある=儲かる」ではないことを肝に銘じてください。需要があっても、制度に縛られた収益構造の中で利益を出すには、緻密な経営戦略が必要です。
FC本部のノウハウ活用で参入障壁を下げられる
介護事業を独立開業する場合、介護保険法に基づく指定事業者の申請が必要です。この申請手続きは非常に複雑で、必要書類も膨大です。また、介護報酬の請求業務(レセプト作成)も専門知識が必要で、初心者にはハードルが高いのが現実です。
フランチャイズに加盟すれば、以下のサポートを受けられます。
- 開業手続きの代行・支援:指定申請書類の作成サポート、行政との調整
- 研修プログラム:介護保険制度の基礎知識、レセプト請求の実務研修
- システム提供:利用者管理、シフト管理、請求業務を効率化するソフトウェア
- ブランド力:既に知名度のあるブランドを使うことで、利用者やケアマネージャーからの信頼を得やすい
これらのサポートにより、未経験者でも比較的スムーズに参入できるのがフランチャイズのメリットです。ただし、加盟金やロイヤリティとサポート内容が見合っているか、慎重に見極める必要があります。
こんな人には向いている・向いていない
介護フランチャイズに向いている人の特徴は以下の通りです。
- 介護業界の経験・知識がある:介護職や看護師、ケアマネージャーの経験があれば、業界の実情を理解した上で参入できる
- 長期的視点で事業を考えられる:5-10年スパンで投資回収を考え、短期的な収益変動に動じない忍耐力がある
- 地域密着型の経営が好き:地域のケアマネージャーや医療機関との関係構築を楽しめる
- 社会貢献意識が強い:収益だけでなく、地域社会への貢献に価値を見出せる
一方、向いていない人の特徴は以下です。
- 短期間で大きく稼ぎたい:介護事業は利益率が低く、急激な収益拡大は難しい
- 数字・制度の管理が苦手:介護報酬の計算、加算要件の管理など、細かい制度理解が必須
- 人材マネジメントに自信がない:慢性的な人手不足の中、職員のモチベーション管理が経営の鍵を握る
- リスク許容度が低い:保険報酬改定による収益変動リスクを受け入れられない
自分がどちらのタイプに近いか、正直に自己分析してから判断することをおすすめします。
介護以外の選択肢との比較検討も重要
介護フランチャイズを検討する際、他の選択肢との比較も忘れてはいけません。「なぜ介護を選ぶのか」を明確にすることで、後悔のない判断ができます。
他の高齢者向けビジネス(保険外)
介護保険に依存しない、自費サービスも選択肢の1つです。以下のような事業があります。
- 配食サービス:高齢者向けの宅配弁当。価格設定の自由度が高く、利益率は10-15%程度
- 家事代行:介護保険外の掃除・洗濯・買い物代行。時間単価を自由に設定可能
- 見守りサービス:一人暮らし高齢者の安否確認。月額定額制で安定収入が見込める
メリットは、価格設定の自由度が高く、保険報酬改定の影響を受けないことです。一方、デメリットは、介護保険サービスのような公的な信頼がなく、自力で集客する必要があることです。
全く違う業種のフランチャイズ
介護にこだわらず、他業種のフランチャイズとの比較も検討すべきです。以下、代表的な業種との比較です。
| 業種 | 初期投資 | 営業利益率 | 投資回収期間 | リスク |
|---|---|---|---|---|
| 介護フランチャイズ | 800-3,000万円 | 5-8% | 5-7年 | 制度変更リスク高 |
| ハウスクリーニング | 100-300万円 | 15-25% | 2-3年 | 競合多、労働集約 |
| コンビニエンスストア | 1,500-3,000万円 | 8-12% | 4-6年 | 長時間労働、立地依存 |
| 学習塾 | 500-1,500万円 | 10-20% | 3-5年 | 少子化、季節変動 |
この比較表から分かるように、介護フランチャイズは初期投資が高く、利益率が低いという特徴があります。一方、需要の安定性と社会貢献性では他業種を上回ります。
「なぜ介護を選ぶのか」を明確にし、自分の価値観や目標に合った選択をすることが重要です。
よくある質問(FAQ)と回答
介護フランチャイズを検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. 保険報酬改定はどのくらいの頻度で起きるのですか?
介護保険の報酬改定は3年に1回、4月に実施されます。次回は2027年4月に予定されています。改定の内容は前年の秋頃(通常11月頃)に厚生労働省の審議会で議論され、年末から年明けにかけて正式に公表されます。つまり、開業から3年以内に必ず1回は報酬改定を経験することになります。
Q2. 報酬改定で実際にどのくらい収益が変わるのですか?
事業形態により異なりますが、▲5〜10%程度の影響を受けるケースが多いです。特に訪問介護は報酬改定の影響を受けやすく、過去の改定では10%以上の減収となった事業所もあります。一方、特別養護老人ホームなどの施設系サービスは、基本報酬が比較的安定しており、影響は5%以内に収まることが多いです。
Q3. FC加盟せず、独自で開業する選択肢もありますか?
可能です。ただし、介護保険指定事業者の申請が必要で、法人格の取得、事業所の設備基準、人員基準などをクリアしなければなりません。申請書類も膨大で、行政との調整も必要です。介護業界の経験がない場合、ノウハウ不足でつまずくケースが多いため、フランチャイズ加盟のコスト(加盟金200-300万円、ロイヤリティ月5-10万円程度)とメリットを天秤にかけて判断してください。
Q4. 今から参入するのは遅すぎませんか?
需要はまだ伸びますが、競争は以前より激化しています。特に都市部では既に事業所が飽和状態の地域もあります。一方、地方では人材不足が深刻で、職員を確保できれば需要に対して供給が追いついていない地域もあります。重要なのは「いつ参入するか」よりも「どこで、どんな差別化戦略で参入するか」です。徹底的な市場調査と、明確な差別化ポイントがあれば、今からでも十分チャンスはあります。
Q5. 初期投資はどのくらい必要ですか?
事業形態により大きく異なります。
- 訪問介護:500-1,000万円(事務所、車両、初期運転資金)
- デイサービス:1,500-3,000万円(施設改修、設備、送迎車両)
- フランチャイズ加盟金:100-300万円が相場
- ロイヤリティ:月額固定5-10万円、または売上の3-5%
訪問介護は比較的初期投資が少なく、小規模から始められます。一方、デイサービスは施設の改修費用が大きく、初期投資が高額になります。自己資金は最低でも総投資額の30%、できれば50%を用意することをおすすめします。
まとめ
介護フランチャイズは、高齢化社会における需要の高さから注目される一方で、保険報酬改定による収益変動リスクという大きな課題を抱えています。この記事で解説した重要なポイントを改めて整理します。
- リスク認識が最重要:介護事業は売上の大部分が国の制度に依存するため、3年ごとの報酬改定が経営に直接影響します。報酬単価の引き下げ、加算要件の厳格化、競合増加という3つの理由で収益が悪化するリスクを必ず理解してください。
- 対策は存在する:報酬改定で10%減収しても耐えられる事業計画、加算の徹底取得、複数事業の組み合わせ、本部サポートの確認、徹底した市場調査により、失敗確率は大幅に下げられます。特に開業前の市場調査は、成否を分ける最重要ポイントです。
- 向き不向きを見極める:短期的な利益を求める人には不向きですが、長期視点で地域貢献しながらビジネスをしたい人には、やりがいのある選択肢です。自分の価値観や目標と照らし合わせて判断してください。
介護フランチャイズへの参入を検討する際は、リスクを正しく理解し、具体的な対策を講じた上で判断することが重要です。さらに詳しい情報は、YouTube「フランチャイズ探偵団」で実際のオーナーの生の声を確認することをおすすめします。また、介護以外の業種との比較検討も行い、自分に最適な選択をしてください。

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