「からあげ専門店がまた閉店していた…」そんなSNSの投稿を見て、不安を感じている方は多いのではないでしょうか。2019年から2022年にかけてブームとなったからあげ専門店フランチャイズですが、2024年現在、「閉店ラッシュ」という言葉が飛び交っています。
この記事では、YouTube「フランチャイズ探偵団」での複数のからあげFC本部取材経験と、実際のオーナーインタビューをもとに、閉店ラッシュの実態をデータで検証します。さらに、失敗する店と成功する店の決定的な違い、今から開業しても勝算がある戦略まで、徹底的に解説します。からあげフランチャイズへの加盟を検討している方にとって、冷静な判断材料となる内容です。
からあげ専門店の「閉店ラッシュ」は本当なのか?データで検証
まず結論から言うと、からあげ専門店の閉店増加は事実です。ただし、「業界全体が崩壊している」わけではありません。ここでは客観的なデータをもとに、閉店ラッシュの実態を正しく理解していきましょう。
2019-2023年のからあげ専門店出店数の推移
日本唐揚協会のデータによると、からあげ専門店の出店数は以下のように推移しています:
- 2019年:約800店舗(フランチャイズ・個人店含む)
- 2020年:約1,200店舗(コロナ禍でテイクアウト需要急増)
- 2021年:約1,800店舗(ピーク)
- 2022年:約1,600店舗(淘汰開始)
- 2023年:約1,300店舗(閉店加速)
- 2024年1-6月:約1,100店舗(推定)
2020年の緊急事態宣言以降、「テイクアウト需要」が爆発的に増加し、からあげ専門店は一気に2倍以上に増えました。しかし、ピークの2021年から2024年にかけて、約700店舗(約39%)が閉店しています。これが「閉店ラッシュ」と呼ばれる現象の実態です。
コロナ禍の巣ごもり需要が生んだ短期的なブームが終焉し、需要と供給のバランスが崩れたことが大きな要因と言えます。
実際の閉店事例:どんな店が消えたのか
帝国データバンクの「飲食店倒産動向調査(2023年)」によると、からあげ専門店を含むテイクアウト専門店の倒産・廃業は、以下のパターンに分類されます:
立地別の閉店パターン
- 駅前型(40%):通行人は多いが競合3店舗以上で価格競争に敗北
- 郊外型(35%):車での来店を想定するも駐車場なし・認知不足
- 商業施設内(25%):テナント料高騰、集客力に依存しすぎ
閉店までの平均期間
- 開業から1年未満:約35%(初期投資回収前に資金ショート)
- 開業から1-2年:約40%(ブーム終焉で売上急落)
- 開業から2-3年:約25%(オーナーの疲弊・モチベーション低下)
主な閉店理由
- 競合過多:半径500m以内に同業3店舗以上
- 収益悪化:月商が想定の50%以下で赤字継続
- オーナーの資金ショート:運転資金不足で継続不可能
- 人手不足:スタッフ確保できず、オーナーが疲弊
実際に、YouTube「フランチャイズ探偵団」で取材したあるFC本部の担当者は、「厳しい競争環境であることは事実。立地選定とマーケティングができない加盟店は苦戦している」と率直に語っていました。
一方で「生き残っている店」も多数存在
ここで重要なのは、全ての店が失敗しているわけではないという事実です。実際、以下のような店舗は今も繁盛しています:
- 住宅街で地域密着型営業を展開し、固定客を獲得している店
- Uber Eatsなどデリバリーを積極活用し、複数の販売チャネルを持つ店
- 付加価値(国産鶏使用、無添加等)で差別化し、価格競争を避けている店
- オーナー自ら現場に立ち、人件費を抑えて収益を確保している店
つまり、閉店ラッシュは「淘汰」であり「業界崩壊」ではないのです。市場が適正規模に戻る過程で、準備不足の店や戦略のない店が淘汰されているだけ、とも言えます。詳しい成功条件については、後ほど詳しく解説します。
なぜ競合過多になったのか?からあげFCブームの4つの背景
では、なぜこれほど多くのからあげ専門店が乱立したのでしょうか。ここでは、競合過多に至った構造的な背景を4つの観点から解説します。
①コロナ禍での「テイクアウト需要」急増
2020年4月の緊急事態宣言以降、外食からテイクアウトへの消費行動が劇的に変化しました。矢野経済研究所の調査によると、テイクアウト市場は以下のように推移しています:
- 2019年:約2.2兆円
- 2020年:約2.8兆円(前年比27%増)
- 2021年:約3.1兆円(ピーク)
この「巣ごもり需要」が、からあげ専門店だけでなく、弁当・丼もの・スイーツなどテイクアウト全般の出店ブームを生みました。からあげは調理時間が短く、持ち帰りに適した商材だったため、特に出店が集中したのです。
しかし、2022年以降のアフターコロナで外食需要が回復すると、テイクアウト市場は縮小に転じます。ブームに乗って開業した店舗の多くが、需要減少に対応できず苦戦することになりました。
②参入障壁の低さ:小規模物件で開業可能
からあげ専門店が急増した大きな理由の一つが、初期費用の安さと小規模開業の可能性です。
- 初期費用:300-800万円(一般的な飲食店の半額以下)
- 必要な店舗面積:5-10坪(15-30㎡)の狭小物件でも成立
- 設備投資:フライヤー・冷蔵庫・簡易レジのみでスタート可能
これは、ラーメン店(初期費用1,000-2,000万円、20-30坪必要)やカフェ(初期費用1,500-3,000万円)と比較すると、圧倒的に低いハードルです。そのため、脱サラを考えるサラリーマンや、副業を探すシニア層など、幅広い層が参入しました。
FC本部も「小資本で始められる」ことを積極的にアピールし、加盟店募集を強化。結果として、短期間で店舗数が急増することになりました。
③調理の簡単さ:未経験でも短期で習得可能
からあげは、飲食未経験者でも習得しやすいというメリットがあります。多くのFC本部では、以下のような研修体制を整えています:
- 研修期間:1-2週間程度(短期間でマスター可能)
- マニュアル化:仕込み・揚げ時間・温度管理まで全て標準化
- 調理工程:シンプルで再現性が高い
これは、寿司職人(修行10年以上)やラーメン職人(修行3-5年)と比較すると、圧倒的に習得しやすいのが特徴です。そのため、飲食経験ゼロの脱サラ層が「自分でもできそう」と感じ、参入するケースが増えました。
ただし、「簡単=誰でも成功できる」ではありません。調理は簡単でも、立地選定・マーケティング・収支管理などの経営スキルは別物です。この認識のズレが、失敗を招く一因となっています。
④FC本部の乱立:数十ブランドが市場に参入
からあげブームを受けて、FC本部も続々と参入しました。主要なブランドだけでも以下のように10社以上が存在します:
- 鳥貴族
- からやま
- からあげ縁
- からいち
- からあげ大吉
- からあげの天才
- から好し
- から揚げ専門店 とりあえず吾平
- からあげ専門店 鳥心
- その他、地域限定ブランド多数
各社とも差別化を図ろうとしていますが、消費者から見ると「味の違いが分かりにくい」のが実情です。どの店も「サクサク・ジューシー」を謳い、価格帯もほぼ同じ(100-150円/個)。結果として、価格競争に陥りやすい構造となっています。
さらに、FC本部の出店戦略も競合を生む要因となりました。同じエリアに複数の加盟店を出店するケースや、競合ブランドと隣接して出店するケースが頻発。本部側は「エリア全体の認知度向上」を狙いますが、加盟店同士の共食いを招く結果となっています。
失敗する店・成功する店の「決定的な5つの違い」
ここからは、読者の皆さんが最も知りたい「成否を分ける具体的な要因」を解説します。YouTube「フランチャイズ探偵団」での取材や、複数のオーナーインタビューから見えてきた、失敗店と成功店の決定的な違いを5つの観点でまとめました。
①立地選定:「駅前なら安心」は大間違い
失敗パターン
- 駅前でも通行人が実は少ない(乗り換え客中心で購買意欲低い)
- 半径500m以内に競合が3店舗以上存在
- 住宅街だが車通りが少なく、認知されない
- 商業施設内だが、テナント料が高すぎて収益を圧迫
成功パターン
- 住宅街:ファミリー層が多く、夕食需要を取り込める
- オフィス街:ランチ・夕方の持ち帰り需要が安定
- 競合不在エリア:半径500m以内に同業なし
- 駐車場確保:郊外型なら駐車2-3台分必須
実際に、神奈川県内で成功しているあるオーナーは、「駅前を避け、徒歩5分の住宅街で開業した。競合がゼロで、地域の顔として認知されている」と語っていました。
商圏分析のチェックポイント
- 半径500m以内の世帯数(最低5,000世帯以上)
- 競合店の数(からあげ専門店だけでなく、スーパーの惣菜も競合)
- 通行量調査(平日・休日の午後5-7時をチェック)
- 駐車場の有無(郊外型の場合)
②価格設定:安売り競争に巻き込まれない戦略
失敗パターン
- 1個100円以下の価格競争に参入
- 「安さ」だけを武器にするも、利益率が低く継続困難
- 客単価300-400円で、1日50人でも売上2万円以下
成功パターン
- 付加価値で差別化:国産鶏使用、無添加、地域特産品とのコラボ
- 客単価500-800円を維持:セット販売、サイドメニュー充実
- 価格は「高すぎず安すぎず」の中間帯(1個120-150円)
例えば、「国産鶏100%使用」を謳い、1個150円で販売している店舗は、客単価700円を実現しています。原価率は35%とやや高めですが、安売り店(客単価400円、原価率30%)よりも粗利額が大きく、収益性が高いのです。
客単価アップの具体策
- セット販売(からあげ5個+ポテト+ドリンク=800円)
- 定期購入促進(回数券・サブスク)
- ファミリーパック(20個入り=2,500円)
③販売チャネル:店頭販売だけでは限界
失敗パターン
- 通行人頼みの受動的営業
- デリバリーアプリ未導入(機会損失)
- 法人営業・イベント出店など、店外販売を考えていない
成功パターン
- デリバリー併用:Uber Eats・出前館で売上30%上乗せ
- 法人営業:近隣オフィスへの定期配達契約(安定収益)
- イベント出店:地域の祭り・マルシェに積極参加
- EC販売:冷凍からあげのオンライン販売
ある埼玉県の店舗では、Uber Eatsの売上が全体の40%を占めています。「雨の日や夜間は店頭客が減るが、デリバリーが補ってくれる」とオーナーは語ります。また、近隣の中小企業3社と毎週金曜日の社員向け配達契約を結び、月20万円の安定収益を確保しています。
オムニチャネル戦略の具体例
- 店頭販売:メイン客層(徒歩・自転車客)
- デリバリー:半径3km圏内の顧客開拓
- 法人営業:週1-2回の定期配達で安定収益
- イベント出店:月1-2回、新規顧客獲得
④オペレーション:人件費をいかに抑えるか
失敗パターン
- 常時2名体制で人件費が売上の30%超
- オーナーが現場に入らず、スタッフ任せ
- ピーク時間の予測ミスで、無駄な人件費発生
成功パターン
- ピークタイム以外は1名運営(午前・昼過ぎはオーナーのみ)
- オーナー自ら現場に立つ(週5日以上)
- 人件費率20%以下を徹底(業界標準は25%)
からあげ専門店の場合、調理工程がシンプルなため、1名でも運営可能です。成功している店舗の多くは、オーナーが朝10時-夕方5時まで一人で店を回し、夕方のピークタイムだけアルバイトを1名入れる体制を取っています。
人件費削減の具体策
- セルフオーダー導入(タブレット注文)
- キャッシュレス決済のみ(レジ時間短縮)
- 仕込み作業の効率化(前日準備・冷凍活用)
- ピークタイムのシフト管理(データに基づく予測)
ただし、オーナーの労働時間が長くなるのは避けられません。週5-6日、1日10時間労働を覚悟する必要があります。
⑤マーケティング:リピーター獲得の仕組み化
失敗パターン
- オープン時のチラシ配布のみで、その後の施策なし
- SNS更新が不定期(3ヶ月放置など)
- 新規客頼みで、リピート率10%以下
成功パターン
- LINE公式活用:登録者1,000人超、クーポン配信でリピート促進
- ポイントカード:10個購入で1個無料など
- 定期購入促進:週1回配達のサブスク契約(月額8,000円)
- 固定客30%以上を実現
ある千葉県の店舗では、LINE公式の登録者が1,500人を超えています。毎週水曜日に「明日限定クーポン」を配信し、木曜日の売上を安定させる仕組みを作っています。また、月1回の「常連感謝デー」を開催し、固定客とのコミュニティ形成にも成功しています。
リピーター獲得の具体策
- 初回来店時にLINE登録を促す(登録で50円割引など)
- 購入履歴をデータ化し、個別アプローチ(誕生日クーポンなど)
- 常連客向けイベント(試食会・新商品モニター)
- 口コミ投稿促進(Google口コミで次回100円割引)
新規客獲得コストは、リピーター維持コストの5倍と言われています。リピーター30%を実現できれば、安定した経営が可能になります。
主要からあげFC5社の特徴と初期費用・収益性比較
ここからは、具体的にからあげフランチャイズを検討する際の参考情報として、主要5社の比較を行います。ただし、これは2024年6月時点の公式情報に基づくものであり、実際の条件は変更される可能性があります。必ず各社に直接問い合わせて最新情報を確認してください。
からあげFC選びの3つのチェックポイント
FC本部を選ぶ際、以下の3点を必ずチェックしてください:
①本部の経営安定性
- 設立年数(最低5年以上が望ましい)
- 店舗数の推移(増加傾向か、減少傾向か)
- 財務状況(可能なら決算書類の開示を求める)
②サポート体制
- 開業前研修の内容・期間
- 開業後のSV(スーパーバイザー)訪問頻度(月1回以上が理想)
- 本部への相談窓口(電話・メール・LINE等)
- 閉店時のサポート(設備買取・違約金の有無)
③撤退条件
- 契約期間(3年・5年等)
- 途中解約の違約金(具体的な金額)
- 設備の買取義務(あるか、ないか)
- 競業避止義務(契約終了後、同業種で開業できるか)
特に③撤退条件は見落としがちですが、最も重要です。「うまくいかなかった時にどう撤退するか」を契約前に明確にしておきましょう。
比較表:主要5社の特徴まとめ
以下は、公式サイト情報に基づく比較表です(2024年6月時点):
| FC名 | 初期費用 | ロイヤリティ | 特徴 | 強み | 懸念点 |
|---|---|---|---|---|---|
| からやま | 500-800万円 | 売上の5% | 大手チェーン | ブランド力・集客力 | 競合多・初期費用高 |
| からあげ縁 | 300-600万円 | 定額3万円/月 | 小資本開業 | 初期費用安・狭小物件OK | ブランド力弱・自力集客必須 |
| からあげ大吉 | 400-700万円 | 売上の4% | 中堅ブランド | サポート充実・研修丁寧 | 出店エリア限定 |
| からいち | 350-650万円 | 売上の3% | 低ロイヤリティ | ロイヤリティ安・利益率高 | 本部サポート少なめ |
| から好し | 600-1,000万円 | 売上の6% | 高級路線 | 客単価高・差別化可能 | 初期費用高・ターゲット限定 |
【注意】上記は概算であり、物件取得費・内装工事費は含まれていません。実際にはプラス200-500万円が必要になるケースが多いです。
「安さ」だけで選ぶと失敗する理由
「初期費用が安いFC本部」は魅力的に見えますが、安さだけで選ぶのは危険です。以下の点を冷静に判断してください:
初期費用が安い=成功しやすいではない
- 初期費用が安い分、サポートが薄いケースが多い
- ブランド力が弱く、集客は自力で頑張る必要がある
- 研修期間が短く、開業後に苦労する可能性
ロイヤリティの仕組みを理解する
- 売上連動型(売上の3-6%):売上が上がるほど負担増
- 定額型(月3-5万円):売上が少なくても固定負担
どちらが有利かは、想定売上によって変わります。月商200万円以上なら売上連動型、150万円以下なら定額型が有利になるケースが多いです。
トータルコストで判断する
初期費用だけでなく、以下のランニングコストも含めて計算してください:
- ロイヤリティ(月3-10万円)
- 広告宣伝費(月2-5万円)
- システム利用料(月1-3万円)
- 研修・セミナー参加費(年10-20万円)
これらを含めると、年間60-150万円の本部への支払いが発生します。
からあげFCで「年収500万円」は可能?リアルな収支シミュレーション
ここからは、読者の皆さんが最も気になる「本当に儲かるのか」を、具体的な数字で検証します。
標準的な月間収支モデル(坪数10坪、駅前立地の場合)
以下は、月商200万円を想定した、標準的な収支モデルです:
| 項目 | 金額 | 売上比率 |
|---|---|---|
| 月間売上 | 200万円 | 100% |
| 原価(食材費) | 60万円 | 30% |
| 人件費 | 50万円 | 25% |
| 家賃 | 20万円 | 10% |
| ロイヤリティ | 10万円 | 5% |
| 水道光熱費 | 8万円 | 4% |
| その他経費 | 12万円 | 6% |
| 営業利益 | 40万円 | 20% |
オーナー年収:40万円×12ヶ月=約480万円
ただし、これはあくまで理論値です。実際には、以下のような変動要因があります:
- 季節変動(夏場は売上増、冬場は減)
- 天候(雨の日は売上減)
- イベント等の臨時支出
- 設備故障・修繕費
これらを考慮すると、年収400-450万円が現実的なラインと言えます。
成功店・平均店・苦戦店の比較
以下は、実際のオーナーインタビューから算出した、3パターンの収支比較です:
| パターン | 月商 | 営業利益率 | オーナー年収 |
|---|---|---|---|
| 成功店 | 300万円 | 25% | 900万円 |
| 平均店 | 200万円 | 20% | 480万円 |
| 苦戦店 | 120万円 | 5% | 72万円 |
成功店の特徴
- 固定客30%以上
- デリバリー売上が全体の40%
- 法人契約で安定収益
- オーナー自ら週6日現場
苦戦店の特徴
- 新規客頼み、リピート率10%以下
- 店頭販売のみ
- オーナーが現場不在(スタッフ任せ)
- 競合3店舗以上のエリア
「年収500万円」を実現するための3つの条件
年収500万円以上を安定して稼ぐには、以下の3つの条件を満たす必要があります:
①月商200万円以上の安定確保
- 1日の売上6.7万円以上(客単価600円×112人)
- ランチ30人、夕方50人、夜間30人の客数確保
- リピーター30%以上で安定化
②原価率30%以下の維持
- 仕入れ先の複数確保(価格交渉)
- ロス率3%以下(廃棄を最小化)
- サイドメニュー(ポテト等)で粗利率アップ
③オーナー自ら現場に入り人件費削減
- 週5日以上の現場勤務
- ピークタイム以外は1名体制
- 人件費率20%以下を死守
【重要】これはあくまでシミュレーションであり、保証されるものではありません。立地・競合状況・オーナーの努力によって大きく変動します。
今からでも遅くない?2024年以降の「からあげFC生き残り戦略」
ここまで読んで、「やっぱり厳しそうだな…」と感じた方も多いでしょう。確かに、ブームのピークは過ぎたのは事実です。しかし、「今から参入しても勝算はあるのか?」という問いに対する答えは、「戦略次第でイエス」です。
ここでは、2024年以降に生き残るための3つの戦略と、市場予測を解説します。
戦略①:「からあげ専門」から脱却する
「からあげ専門店」という業態そのものが、限界を迎えている可能性があります。そこで、以下のような業態拡張が有効です:
サイドメニュー充実
- ポテト、おにぎり、サラダ、スープ
- 客単価アップと同時に、「からあげ以外の選択肢」を提供
- 例:「からあげ+おにぎり+スープ=800円セット」
弁当業態への転換
- 「からあげ弁当」として、ご飯・サラダ込みで販売
- ランチタイムの需要を取り込める
- 客単価600-900円に引き上げ可能
複合業態(からあげ+他商材)
- 例:「からあげ+たこ焼き」「からあげ+焼き鳥」
- 一つの店舗で複数の客層を取り込む
- ただし、オペレーションが複雑化するリスクあり
実際に、東京都内のある店舗は、からあげ専門から「からあげ弁当専門」に転換し、月商が1.5倍に増加しました。「弁当」にすることで、ランチタイムの会社員需要を取り込めたのが成功要因です。
戦略②:エリアを絞った「地域密着型」
大都市圏での競争は激しすぎます。そこで、地方都市・郊外に活路を見出す戦略が有効です。
狙い目エリアの条件
- 商圏人口3-5万人(大きすぎず小さすぎず)
- からあげ専門店が1店舗以下(競合不在)
- 車社会(駐車場確保が前提)
- 高齢化率30%以下(購買力がある)
地域密着の具体策
- 地域イベント参加:祭り、運動会、商工会イベント
- 学校給食納入:小中学校の給食業者と提携
- 地域限定メニュー:地元特産品を使ったからあげ
- 常連コミュニティ:LINE公式で「常連会」を結成
ある栃木県の店舗では、地元の道の駅と提携し、週末だけ出張販売を実施。本店の売上とは別に、月20万円の副収入を得ています。
戦略③:FC本部に依存しない「独自マーケティング」
FC本部のマニュアルだけに頼っていては、競合との差別化はできません。オーナー自身がマーケティングを学び、実践することが重要です。
SNS活用(Instagram、TikTok)
- 調理風景、新商品、お客様の声を発信
- フォロワー1,000人超で影響力が出始める
- インフルエンサーとのコラボ(地域の有名人等)
地域限定メニュー開発
- FC本部のメニューだけでなく、独自商品を開発
- 例:「地元野菜を使ったからあげ」「季節限定フレーバー」
- 本部の許可が必要な場合もあるが、交渉する価値あり
常連客コミュニティ形成
- LINE公式で「VIP会員」制度
- 誕生日クーポン、限定イベント招待
- お客様同士が繋がる「常連交流会」開催
ある神奈川県の店舗では、Instagramのフォロワー3,000人を達成し、投稿するたびに数十件の来店が発生しています。「本部のマニュアルは基本だが、プラスアルファは自分で作る」という姿勢が成功の鍵です。
市場予測:からあげ市場は今後どうなる?
矢野経済研究所の「外食産業市場調査2024」によると、からあげ市場の予測は以下の通りです:
- 2024年:約500億円(ピーク比-30%)
- 2025年:約480億円(微減継続)
- 2026-2027年:約450-470億円(横ばい)
つまり、「ブーム終焉」ではなく「適正化」局面です。需要が完全に消えたわけではなく、供給過多が解消されつつある状態と言えます。
今後の市場環境
- テイクアウト需要は定着:コロナ前の水準には戻らないが、一定の需要は継続
- 競合淘汰で生き残り店に集中:閉店した店の客が、残った店に流れる
- 差別化できた店が勝つ:価格競争から脱却した店が生き残る
つまり、「今から参入しても遅くはない」が、戦略なしでは勝てないというのが現実です。
よくある質問(FAQ):からあげFC開業の疑問を解消
ここでは、読者の皆さんから寄せられる疑問に、Q&A形式でお答えします。
Q1: 飲食未経験でも本当に開業できる?
A: 可能です。ただし最低3ヶ月は修行期間を覚悟してください。
からあげフランチャイズの多くは、飲食未経験者でも開業できるよう設計されています。FC本部の研修は1-2週間程度ですが、これはあくまで「基本操作」を学ぶだけです。実際に安定した品質を提供できるようになるには、開業後3ヶ月程度の実践が必要です。
未経験者の成功率
- 業界平均:約60%(3年以内の継続率)
- 成功する人の特徴:素直に学ぶ姿勢、努力を惜しまない、数字管理ができる
必要なスキル・マインドセット
- 体力(1日10時間の立ち仕事)
- 接客スキル(笑顔、コミュニケーション)
- 数字管理(売上・経費の把握)
- マーケティング思考(集客の工夫)
Q2: 副業(週末起業)での運営は可能?
A: 現実的には難しいです。少なくとも週4日以上の関与が必要です。
からあげ専門店は、オーナーが現場にいることが成功の前提です。スタッフだけに任せると、以下の問題が発生します:
- 品質管理が甘くなる
- 接客レベルが低下する
- 人件費が高騰する
- 売上が想定より30-50%減る
副業で失敗するパターン
- 平日はスタッフ任せ→品質バラつき→客離れ
- 週末だけ顔を出す→問題の発見が遅れる
- 売上データを見ない→改善策が打てない
どうしても副業でやる場合の条件
- 信頼できる店長を雇う(月給30万円以上)
- 遠隔監視カメラで常時チェック
- 週末は必ず現場に入る
- 売上目標を月商150万円に下げる(現実的なライン)
Q3: FC契約は途中解約できる?
A: 契約内容によります。一般的には違約金が発生します。
FC契約は通常、3年または5年の期間が設定されています。途中解約する場合、以下のコストが発生するケースが多いです:
契約前にチェックすべき項目
- 契約期間(3年か5年か)
- 途中解約の条件(本部の承認が必要か)
- 違約金の金額(残期間のロイヤリティ分など)
- 設備の買取義務(本部が設備を引き取るか)
- 競業避止義務(契約終了後、同業種で開業できるか)
撤退コストの相場
- 違約金:50-200万円(残期間による)
- 設備処分費:30-100万円(本部が買い取らない場合)
- 原状回復費:50-150万円(賃貸物件の場合)
- 合計:130-450万円
つまり、途中で辞めると大きな損失が出ます。契約前に「最悪のシナリオ」を想定し、撤退コストを把握しておくことが重要です。
Q4: 閉店ラッシュの今、開業は見送るべき?
A: 一概には言えません。「淘汰=参入チャンス」という見方もあります。
確かに、ブームのピークは過ぎたのは事実です。しかし、これは逆に言えば、競合が減っているということでもあります。
慎重に判断すべき3つのポイント
- 立地の競合状況:半径500m以内にからあげ専門店が2店舗以上あるなら見送る
- 自己資金の余裕:初期費用だけでなく、最低6ヶ月分の運転資金(200-300万円)を確保
- 長期戦略の有無:「ブームに乗る」のではなく、5年後も続けられる戦略があるか
「ブームに乗る」のではなく「長期戦略」で考える重要性
からあげフランチャイズで成功するには、最低3年の継続が前提です。1年目は赤字、2年目でトントン、3年目から黒字というパターンが一般的です。「すぐに儲かる」と考えず、長期的な視点で判断してください。
Q5: からあげFC以外で検討すべき飲食FCは?
A: テイクアウト型なら「焼き鳥」「弁当」、店舗型なら「ラーメン」「カフェ」などが選択肢です。
からあげフランチャイズと比較検討すべき業態として、以下が挙げられます:
テイクアウト型
- 焼き鳥FC:初期費用400-900万円、客単価600-1,000円
- 弁当FC:初期費用500-1,200万円、客単価500-800円
- たこ焼きFC:初期費用300-700万円、客単価400-600円
店舗型
- ラーメンFC:初期費用1,000-2,500万円、客単価800-1,200円
- カフェFC:初期費用1,500-3,000万円、客単価600-1,000円
- 牛丼FC:初期費用2,000-4,000万円、客単価500-700円
それぞれメリット・デメリットがあるため、自分の資金・経験・目標に合った業態を選ぶことが重要です。
まとめ
この記事では、からあげフランチャイズの「閉店ラッシュ」の実態を、データとYouTube取材経験をもとに徹底検証しました。重要なポイントを3つにまとめます:
- 閉店ラッシュは事実だが、全てが失敗しているわけではない
ピーク時から約40%の店舗が閉店していますが、これは「淘汰」であり「業界崩壊」ではありません。戦略を持った店舗は今も繁盛しています。 - 失敗の原因は「競合過多」だけでなく、立地選定・価格戦略・マーケティングの甘さ
「駅前なら安心」「FC本部任せで大丈夫」という考えは通用しません。オーナー自身が経営スキルを身につけ、主体的に動くことが成功の条件です。 - 成功の鍵は「差別化」「地域密着」「オムニチャネル」の3つ
価格競争に巻き込まれず、固定客を増やし、複数の販売チャネルを持つこと。これが2024年以降の生き残り戦略です。
ブームの波が去った今こそ、冷静な判断と長期戦略が求められます。開業前に必ず以下を実行してください:
- 複数のFC本部を比較検討する(最低3社)
- 収支シミュレーションを自分で検証する(楽観的な数字に惑わされない)
- 立地の商圏分析を徹底する(競合・通行量・世帯数)
- 撤退コストを事前に把握する(最悪のシナリオを想定)

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