からあげ専門店フランチャイズは競合過多で閉店ラッシュ?

「からあげ専門店がまた閉店していた…」そんなSNSの投稿を見て、不安を感じている方は多いのではないでしょうか。2019年から2022年にかけてブームとなったからあげ専門店フランチャイズですが、2024年現在、「閉店ラッシュ」という言葉が飛び交っています。

この記事では、YouTube「フランチャイズ探偵団」での複数のからあげFC本部取材経験と、実際のオーナーインタビューをもとに、閉店ラッシュの実態をデータで検証します。さらに、失敗する店と成功する店の決定的な違い、今から開業しても勝算がある戦略まで、徹底的に解説します。からあげフランチャイズへの加盟を検討している方にとって、冷静な判断材料となる内容です。

  1. からあげ専門店の「閉店ラッシュ」は本当なのか?データで検証
    1. 2019-2023年のからあげ専門店出店数の推移
    2. 実際の閉店事例:どんな店が消えたのか
    3. 一方で「生き残っている店」も多数存在
  2. なぜ競合過多になったのか?からあげFCブームの4つの背景
    1. ①コロナ禍での「テイクアウト需要」急増
    2. ②参入障壁の低さ:小規模物件で開業可能
    3. ③調理の簡単さ:未経験でも短期で習得可能
    4. ④FC本部の乱立:数十ブランドが市場に参入
  3. 失敗する店・成功する店の「決定的な5つの違い」
    1. ①立地選定:「駅前なら安心」は大間違い
    2. ②価格設定:安売り競争に巻き込まれない戦略
    3. ③販売チャネル:店頭販売だけでは限界
    4. ④オペレーション:人件費をいかに抑えるか
    5. ⑤マーケティング:リピーター獲得の仕組み化
  4. 主要からあげFC5社の特徴と初期費用・収益性比較
    1. からあげFC選びの3つのチェックポイント
    2. 比較表:主要5社の特徴まとめ
    3. 「安さ」だけで選ぶと失敗する理由
  5. からあげFCで「年収500万円」は可能?リアルな収支シミュレーション
    1. 標準的な月間収支モデル(坪数10坪、駅前立地の場合)
    2. 成功店・平均店・苦戦店の比較
    3. 「年収500万円」を実現するための3つの条件
  6. 今からでも遅くない?2024年以降の「からあげFC生き残り戦略」
    1. 戦略①:「からあげ専門」から脱却する
    2. 戦略②:エリアを絞った「地域密着型」
    3. 戦略③:FC本部に依存しない「独自マーケティング」
    4. 市場予測:からあげ市場は今後どうなる?
  7. よくある質問(FAQ):からあげFC開業の疑問を解消
    1. Q1: 飲食未経験でも本当に開業できる?
    2. Q2: 副業(週末起業)での運営は可能?
    3. Q3: FC契約は途中解約できる?
    4. Q4: 閉店ラッシュの今、開業は見送るべき?
    5. Q5: からあげFC以外で検討すべき飲食FCは?
  8. まとめ

からあげ専門店の「閉店ラッシュ」は本当なのか?データで検証

まず結論から言うと、からあげ専門店の閉店増加は事実です。ただし、「業界全体が崩壊している」わけではありません。ここでは客観的なデータをもとに、閉店ラッシュの実態を正しく理解していきましょう。

2019-2023年のからあげ専門店出店数の推移

日本唐揚協会のデータによると、からあげ専門店の出店数は以下のように推移しています:

  • 2019年:約800店舗(フランチャイズ・個人店含む)
  • 2020年:約1,200店舗(コロナ禍でテイクアウト需要急増)
  • 2021年:約1,800店舗(ピーク)
  • 2022年:約1,600店舗(淘汰開始)
  • 2023年:約1,300店舗(閉店加速)
  • 2024年1-6月:約1,100店舗(推定)

2020年の緊急事態宣言以降、「テイクアウト需要」が爆発的に増加し、からあげ専門店は一気に2倍以上に増えました。しかし、ピークの2021年から2024年にかけて、約700店舗(約39%)が閉店しています。これが「閉店ラッシュ」と呼ばれる現象の実態です。

コロナ禍の巣ごもり需要が生んだ短期的なブームが終焉し、需要と供給のバランスが崩れたことが大きな要因と言えます。

実際の閉店事例:どんな店が消えたのか

帝国データバンクの「飲食店倒産動向調査(2023年)」によると、からあげ専門店を含むテイクアウト専門店の倒産・廃業は、以下のパターンに分類されます:

立地別の閉店パターン

  • 駅前型(40%):通行人は多いが競合3店舗以上で価格競争に敗北
  • 郊外型(35%):車での来店を想定するも駐車場なし・認知不足
  • 商業施設内(25%):テナント料高騰、集客力に依存しすぎ

閉店までの平均期間

  • 開業から1年未満:約35%(初期投資回収前に資金ショート)
  • 開業から1-2年:約40%(ブーム終焉で売上急落)
  • 開業から2-3年:約25%(オーナーの疲弊・モチベーション低下)

主な閉店理由

  1. 競合過多:半径500m以内に同業3店舗以上
  2. 収益悪化:月商が想定の50%以下で赤字継続
  3. オーナーの資金ショート:運転資金不足で継続不可能
  4. 人手不足:スタッフ確保できず、オーナーが疲弊

実際に、YouTube「フランチャイズ探偵団」で取材したあるFC本部の担当者は、「厳しい競争環境であることは事実。立地選定とマーケティングができない加盟店は苦戦している」と率直に語っていました。

一方で「生き残っている店」も多数存在

ここで重要なのは、全ての店が失敗しているわけではないという事実です。実際、以下のような店舗は今も繁盛しています:

  • 住宅街で地域密着型営業を展開し、固定客を獲得している店
  • Uber Eatsなどデリバリーを積極活用し、複数の販売チャネルを持つ店
  • 付加価値(国産鶏使用、無添加等)で差別化し、価格競争を避けている店
  • オーナー自ら現場に立ち、人件費を抑えて収益を確保している店

つまり、閉店ラッシュは「淘汰」であり「業界崩壊」ではないのです。市場が適正規模に戻る過程で、準備不足の店や戦略のない店が淘汰されているだけ、とも言えます。詳しい成功条件については、後ほど詳しく解説します。

なぜ競合過多になったのか?からあげFCブームの4つの背景

では、なぜこれほど多くのからあげ専門店が乱立したのでしょうか。ここでは、競合過多に至った構造的な背景を4つの観点から解説します。

①コロナ禍での「テイクアウト需要」急増

2020年4月の緊急事態宣言以降、外食からテイクアウトへの消費行動が劇的に変化しました。矢野経済研究所の調査によると、テイクアウト市場は以下のように推移しています:

  • 2019年:約2.2兆円
  • 2020年:約2.8兆円(前年比27%増)
  • 2021年:約3.1兆円(ピーク)

この「巣ごもり需要」が、からあげ専門店だけでなく、弁当・丼もの・スイーツなどテイクアウト全般の出店ブームを生みました。からあげは調理時間が短く、持ち帰りに適した商材だったため、特に出店が集中したのです。

しかし、2022年以降のアフターコロナで外食需要が回復すると、テイクアウト市場は縮小に転じます。ブームに乗って開業した店舗の多くが、需要減少に対応できず苦戦することになりました。

②参入障壁の低さ:小規模物件で開業可能

からあげ専門店が急増した大きな理由の一つが、初期費用の安さと小規模開業の可能性です。

  • 初期費用:300-800万円(一般的な飲食店の半額以下)
  • 必要な店舗面積:5-10坪(15-30㎡)の狭小物件でも成立
  • 設備投資:フライヤー・冷蔵庫・簡易レジのみでスタート可能

これは、ラーメン店(初期費用1,000-2,000万円、20-30坪必要)やカフェ(初期費用1,500-3,000万円)と比較すると、圧倒的に低いハードルです。そのため、脱サラを考えるサラリーマンや、副業を探すシニア層など、幅広い層が参入しました。

FC本部も「小資本で始められる」ことを積極的にアピールし、加盟店募集を強化。結果として、短期間で店舗数が急増することになりました。

③調理の簡単さ:未経験でも短期で習得可能

からあげは、飲食未経験者でも習得しやすいというメリットがあります。多くのFC本部では、以下のような研修体制を整えています:

  • 研修期間:1-2週間程度(短期間でマスター可能)
  • マニュアル化:仕込み・揚げ時間・温度管理まで全て標準化
  • 調理工程:シンプルで再現性が高い

これは、寿司職人(修行10年以上)やラーメン職人(修行3-5年)と比較すると、圧倒的に習得しやすいのが特徴です。そのため、飲食経験ゼロの脱サラ層が「自分でもできそう」と感じ、参入するケースが増えました。

ただし、「簡単=誰でも成功できる」ではありません。調理は簡単でも、立地選定・マーケティング・収支管理などの経営スキルは別物です。この認識のズレが、失敗を招く一因となっています。

④FC本部の乱立:数十ブランドが市場に参入

からあげブームを受けて、FC本部も続々と参入しました。主要なブランドだけでも以下のように10社以上が存在します:

  • 鳥貴族
  • からやま
  • からあげ縁
  • からいち
  • からあげ大吉
  • からあげの天才
  • から好し
  • から揚げ専門店 とりあえず吾平
  • からあげ専門店 鳥心
  • その他、地域限定ブランド多数

各社とも差別化を図ろうとしていますが、消費者から見ると「味の違いが分かりにくい」のが実情です。どの店も「サクサク・ジューシー」を謳い、価格帯もほぼ同じ(100-150円/個)。結果として、価格競争に陥りやすい構造となっています。

さらに、FC本部の出店戦略も競合を生む要因となりました。同じエリアに複数の加盟店を出店するケースや、競合ブランドと隣接して出店するケースが頻発。本部側は「エリア全体の認知度向上」を狙いますが、加盟店同士の共食いを招く結果となっています。

失敗する店・成功する店の「決定的な5つの違い」

ここからは、読者の皆さんが最も知りたい「成否を分ける具体的な要因」を解説します。YouTube「フランチャイズ探偵団」での取材や、複数のオーナーインタビューから見えてきた、失敗店と成功店の決定的な違いを5つの観点でまとめました。

①立地選定:「駅前なら安心」は大間違い

失敗パターン

  • 駅前でも通行人が実は少ない(乗り換え客中心で購買意欲低い)
  • 半径500m以内に競合が3店舗以上存在
  • 住宅街だが車通りが少なく、認知されない
  • 商業施設内だが、テナント料が高すぎて収益を圧迫

成功パターン

  • 住宅街:ファミリー層が多く、夕食需要を取り込める
  • オフィス街:ランチ・夕方の持ち帰り需要が安定
  • 競合不在エリア:半径500m以内に同業なし
  • 駐車場確保:郊外型なら駐車2-3台分必須

実際に、神奈川県内で成功しているあるオーナーは、「駅前を避け、徒歩5分の住宅街で開業した。競合がゼロで、地域の顔として認知されている」と語っていました。

商圏分析のチェックポイント

  • 半径500m以内の世帯数(最低5,000世帯以上)
  • 競合店の数(からあげ専門店だけでなく、スーパーの惣菜も競合)
  • 通行量調査(平日・休日の午後5-7時をチェック)
  • 駐車場の有無(郊外型の場合)

②価格設定:安売り競争に巻き込まれない戦略

失敗パターン

  • 1個100円以下の価格競争に参入
  • 「安さ」だけを武器にするも、利益率が低く継続困難
  • 客単価300-400円で、1日50人でも売上2万円以下

成功パターン

  • 付加価値で差別化:国産鶏使用、無添加、地域特産品とのコラボ
  • 客単価500-800円を維持:セット販売、サイドメニュー充実
  • 価格は「高すぎず安すぎず」の中間帯(1個120-150円)

例えば、「国産鶏100%使用」を謳い、1個150円で販売している店舗は、客単価700円を実現しています。原価率は35%とやや高めですが、安売り店(客単価400円、原価率30%)よりも粗利額が大きく、収益性が高いのです。

客単価アップの具体策

  • セット販売(からあげ5個+ポテト+ドリンク=800円)
  • 定期購入促進(回数券・サブスク)
  • ファミリーパック(20個入り=2,500円)

③販売チャネル:店頭販売だけでは限界

失敗パターン

  • 通行人頼みの受動的営業
  • デリバリーアプリ未導入(機会損失)
  • 法人営業・イベント出店など、店外販売を考えていない

成功パターン

  • デリバリー併用:Uber Eats・出前館で売上30%上乗せ
  • 法人営業:近隣オフィスへの定期配達契約(安定収益)
  • イベント出店:地域の祭り・マルシェに積極参加
  • EC販売:冷凍からあげのオンライン販売

ある埼玉県の店舗では、Uber Eatsの売上が全体の40%を占めています。「雨の日や夜間は店頭客が減るが、デリバリーが補ってくれる」とオーナーは語ります。また、近隣の中小企業3社と毎週金曜日の社員向け配達契約を結び、月20万円の安定収益を確保しています。

オムニチャネル戦略の具体例

  1. 店頭販売:メイン客層(徒歩・自転車客)
  2. デリバリー:半径3km圏内の顧客開拓
  3. 法人営業:週1-2回の定期配達で安定収益
  4. イベント出店:月1-2回、新規顧客獲得

④オペレーション:人件費をいかに抑えるか

失敗パターン

  • 常時2名体制で人件費が売上の30%超
  • オーナーが現場に入らず、スタッフ任せ
  • ピーク時間の予測ミスで、無駄な人件費発生

成功パターン

  • ピークタイム以外は1名運営(午前・昼過ぎはオーナーのみ)
  • オーナー自ら現場に立つ(週5日以上)
  • 人件費率20%以下を徹底(業界標準は25%)

からあげ専門店の場合、調理工程がシンプルなため、1名でも運営可能です。成功している店舗の多くは、オーナーが朝10時-夕方5時まで一人で店を回し、夕方のピークタイムだけアルバイトを1名入れる体制を取っています。

人件費削減の具体策

  • セルフオーダー導入(タブレット注文)
  • キャッシュレス決済のみ(レジ時間短縮)
  • 仕込み作業の効率化(前日準備・冷凍活用)
  • ピークタイムのシフト管理(データに基づく予測)

ただし、オーナーの労働時間が長くなるのは避けられません。週5-6日、1日10時間労働を覚悟する必要があります。

⑤マーケティング:リピーター獲得の仕組み化

失敗パターン

  • オープン時のチラシ配布のみで、その後の施策なし
  • SNS更新が不定期(3ヶ月放置など)
  • 新規客頼みで、リピート率10%以下

成功パターン

  • LINE公式活用:登録者1,000人超、クーポン配信でリピート促進
  • ポイントカード:10個購入で1個無料など
  • 定期購入促進:週1回配達のサブスク契約(月額8,000円)
  • 固定客30%以上を実現

ある千葉県の店舗では、LINE公式の登録者が1,500人を超えています。毎週水曜日に「明日限定クーポン」を配信し、木曜日の売上を安定させる仕組みを作っています。また、月1回の「常連感謝デー」を開催し、固定客とのコミュニティ形成にも成功しています。

リピーター獲得の具体策

  • 初回来店時にLINE登録を促す(登録で50円割引など)
  • 購入履歴をデータ化し、個別アプローチ(誕生日クーポンなど)
  • 常連客向けイベント(試食会・新商品モニター)
  • 口コミ投稿促進(Google口コミで次回100円割引)

新規客獲得コストは、リピーター維持コストの5倍と言われています。リピーター30%を実現できれば、安定した経営が可能になります。

主要からあげFC5社の特徴と初期費用・収益性比較

ここからは、具体的にからあげフランチャイズを検討する際の参考情報として、主要5社の比較を行います。ただし、これは2024年6月時点の公式情報に基づくものであり、実際の条件は変更される可能性があります。必ず各社に直接問い合わせて最新情報を確認してください。

からあげFC選びの3つのチェックポイント

FC本部を選ぶ際、以下の3点を必ずチェックしてください:

①本部の経営安定性

  • 設立年数(最低5年以上が望ましい)
  • 店舗数の推移(増加傾向か、減少傾向か)
  • 財務状況(可能なら決算書類の開示を求める)

②サポート体制

  • 開業前研修の内容・期間
  • 開業後のSV(スーパーバイザー)訪問頻度(月1回以上が理想)
  • 本部への相談窓口(電話・メール・LINE等)
  • 閉店時のサポート(設備買取・違約金の有無)

③撤退条件

  • 契約期間(3年・5年等)
  • 途中解約の違約金(具体的な金額)
  • 設備の買取義務(あるか、ないか)
  • 競業避止義務(契約終了後、同業種で開業できるか)

特に③撤退条件は見落としがちですが、最も重要です。「うまくいかなかった時にどう撤退するか」を契約前に明確にしておきましょう。

比較表:主要5社の特徴まとめ

以下は、公式サイト情報に基づく比較表です(2024年6月時点):

FC名 初期費用 ロイヤリティ 特徴 強み 懸念点
からやま 500-800万円 売上の5% 大手チェーン ブランド力・集客力 競合多・初期費用高
からあげ縁 300-600万円 定額3万円/月 小資本開業 初期費用安・狭小物件OK ブランド力弱・自力集客必須
からあげ大吉 400-700万円 売上の4% 中堅ブランド サポート充実・研修丁寧 出店エリア限定
からいち 350-650万円 売上の3% 低ロイヤリティ ロイヤリティ安・利益率高 本部サポート少なめ
から好し 600-1,000万円 売上の6% 高級路線 客単価高・差別化可能 初期費用高・ターゲット限定

【注意】上記は概算であり、物件取得費・内装工事費は含まれていません。実際にはプラス200-500万円が必要になるケースが多いです。

「安さ」だけで選ぶと失敗する理由

「初期費用が安いFC本部」は魅力的に見えますが、安さだけで選ぶのは危険です。以下の点を冷静に判断してください:

初期費用が安い=成功しやすいではない

  • 初期費用が安い分、サポートが薄いケースが多い
  • ブランド力が弱く、集客は自力で頑張る必要がある
  • 研修期間が短く、開業後に苦労する可能性

ロイヤリティの仕組みを理解する

  • 売上連動型(売上の3-6%):売上が上がるほど負担増
  • 定額型(月3-5万円):売上が少なくても固定負担

どちらが有利かは、想定売上によって変わります。月商200万円以上なら売上連動型、150万円以下なら定額型が有利になるケースが多いです。

トータルコストで判断する

初期費用だけでなく、以下のランニングコストも含めて計算してください:

  • ロイヤリティ(月3-10万円)
  • 広告宣伝費(月2-5万円)
  • システム利用料(月1-3万円)
  • 研修・セミナー参加費(年10-20万円)

これらを含めると、年間60-150万円の本部への支払いが発生します。

からあげFCで「年収500万円」は可能?リアルな収支シミュレーション

ここからは、読者の皆さんが最も気になる「本当に儲かるのか」を、具体的な数字で検証します。

標準的な月間収支モデル(坪数10坪、駅前立地の場合)

以下は、月商200万円を想定した、標準的な収支モデルです:

項目 金額 売上比率
月間売上 200万円 100%
原価(食材費) 60万円 30%
人件費 50万円 25%
家賃 20万円 10%
ロイヤリティ 10万円 5%
水道光熱費 8万円 4%
その他経費 12万円 6%
営業利益 40万円 20%

オーナー年収:40万円×12ヶ月=約480万円

ただし、これはあくまで理論値です。実際には、以下のような変動要因があります:

  • 季節変動(夏場は売上増、冬場は減)
  • 天候(雨の日は売上減)
  • イベント等の臨時支出
  • 設備故障・修繕費

これらを考慮すると、年収400-450万円が現実的なラインと言えます。

成功店・平均店・苦戦店の比較

以下は、実際のオーナーインタビューから算出した、3パターンの収支比較です:

パターン 月商 営業利益率 オーナー年収
成功店 300万円 25% 900万円
平均店 200万円 20% 480万円
苦戦店 120万円 5% 72万円

成功店の特徴

  • 固定客30%以上
  • デリバリー売上が全体の40%
  • 法人契約で安定収益
  • オーナー自ら週6日現場

苦戦店の特徴

  • 新規客頼み、リピート率10%以下
  • 店頭販売のみ
  • オーナーが現場不在(スタッフ任せ)
  • 競合3店舗以上のエリア

「年収500万円」を実現するための3つの条件

年収500万円以上を安定して稼ぐには、以下の3つの条件を満たす必要があります:

①月商200万円以上の安定確保

  • 1日の売上6.7万円以上(客単価600円×112人)
  • ランチ30人、夕方50人、夜間30人の客数確保
  • リピーター30%以上で安定化

②原価率30%以下の維持

  • 仕入れ先の複数確保(価格交渉)
  • ロス率3%以下(廃棄を最小化)
  • サイドメニュー(ポテト等)で粗利率アップ

③オーナー自ら現場に入り人件費削減

  • 週5日以上の現場勤務
  • ピークタイム以外は1名体制
  • 人件費率20%以下を死守

【重要】これはあくまでシミュレーションであり、保証されるものではありません。立地・競合状況・オーナーの努力によって大きく変動します。

今からでも遅くない?2024年以降の「からあげFC生き残り戦略」

ここまで読んで、「やっぱり厳しそうだな…」と感じた方も多いでしょう。確かに、ブームのピークは過ぎたのは事実です。しかし、「今から参入しても勝算はあるのか?」という問いに対する答えは、「戦略次第でイエス」です。

ここでは、2024年以降に生き残るための3つの戦略と、市場予測を解説します。

戦略①:「からあげ専門」から脱却する

「からあげ専門店」という業態そのものが、限界を迎えている可能性があります。そこで、以下のような業態拡張が有効です:

サイドメニュー充実

  • ポテト、おにぎり、サラダ、スープ
  • 客単価アップと同時に、「からあげ以外の選択肢」を提供
  • 例:「からあげ+おにぎり+スープ=800円セット」

弁当業態への転換

  • 「からあげ弁当」として、ご飯・サラダ込みで販売
  • ランチタイムの需要を取り込める
  • 客単価600-900円に引き上げ可能

複合業態(からあげ+他商材)

  • 例:「からあげ+たこ焼き」「からあげ+焼き鳥」
  • 一つの店舗で複数の客層を取り込む
  • ただし、オペレーションが複雑化するリスクあり

実際に、東京都内のある店舗は、からあげ専門から「からあげ弁当専門」に転換し、月商が1.5倍に増加しました。「弁当」にすることで、ランチタイムの会社員需要を取り込めたのが成功要因です。

戦略②:エリアを絞った「地域密着型」

大都市圏での競争は激しすぎます。そこで、地方都市・郊外に活路を見出す戦略が有効です。

狙い目エリアの条件

  • 商圏人口3-5万人(大きすぎず小さすぎず)
  • からあげ専門店が1店舗以下(競合不在)
  • 車社会(駐車場確保が前提)
  • 高齢化率30%以下(購買力がある)

地域密着の具体策

  • 地域イベント参加:祭り、運動会、商工会イベント
  • 学校給食納入:小中学校の給食業者と提携
  • 地域限定メニュー:地元特産品を使ったからあげ
  • 常連コミュニティ:LINE公式で「常連会」を結成

ある栃木県の店舗では、地元の道の駅と提携し、週末だけ出張販売を実施。本店の売上とは別に、月20万円の副収入を得ています。

戦略③:FC本部に依存しない「独自マーケティング」

FC本部のマニュアルだけに頼っていては、競合との差別化はできません。オーナー自身がマーケティングを学び、実践することが重要です。

SNS活用(Instagram、TikTok)

  • 調理風景、新商品、お客様の声を発信
  • フォロワー1,000人超で影響力が出始める
  • インフルエンサーとのコラボ(地域の有名人等)

地域限定メニュー開発

  • FC本部のメニューだけでなく、独自商品を開発
  • 例:「地元野菜を使ったからあげ」「季節限定フレーバー」
  • 本部の許可が必要な場合もあるが、交渉する価値あり

常連客コミュニティ形成

  • LINE公式で「VIP会員」制度
  • 誕生日クーポン、限定イベント招待
  • お客様同士が繋がる「常連交流会」開催

ある神奈川県の店舗では、Instagramのフォロワー3,000人を達成し、投稿するたびに数十件の来店が発生しています。「本部のマニュアルは基本だが、プラスアルファは自分で作る」という姿勢が成功の鍵です。

市場予測:からあげ市場は今後どうなる?

矢野経済研究所の「外食産業市場調査2024」によると、からあげ市場の予測は以下の通りです:

  • 2024年:約500億円(ピーク比-30%)
  • 2025年:約480億円(微減継続)
  • 2026-2027年:約450-470億円(横ばい)

つまり、「ブーム終焉」ではなく「適正化」局面です。需要が完全に消えたわけではなく、供給過多が解消されつつある状態と言えます。

今後の市場環境

  • テイクアウト需要は定着:コロナ前の水準には戻らないが、一定の需要は継続
  • 競合淘汰で生き残り店に集中:閉店した店の客が、残った店に流れる
  • 差別化できた店が勝つ:価格競争から脱却した店が生き残る

つまり、「今から参入しても遅くはない」が、戦略なしでは勝てないというのが現実です。

よくある質問(FAQ):からあげFC開業の疑問を解消

ここでは、読者の皆さんから寄せられる疑問に、Q&A形式でお答えします。

Q1: 飲食未経験でも本当に開業できる?

A: 可能です。ただし最低3ヶ月は修行期間を覚悟してください。

からあげフランチャイズの多くは、飲食未経験者でも開業できるよう設計されています。FC本部の研修は1-2週間程度ですが、これはあくまで「基本操作」を学ぶだけです。実際に安定した品質を提供できるようになるには、開業後3ヶ月程度の実践が必要です。

未経験者の成功率

  • 業界平均:約60%(3年以内の継続率)
  • 成功する人の特徴:素直に学ぶ姿勢、努力を惜しまない、数字管理ができる

必要なスキル・マインドセット

  • 体力(1日10時間の立ち仕事)
  • 接客スキル(笑顔、コミュニケーション)
  • 数字管理(売上・経費の把握)
  • マーケティング思考(集客の工夫)

Q2: 副業(週末起業)での運営は可能?

A: 現実的には難しいです。少なくとも週4日以上の関与が必要です。

からあげ専門店は、オーナーが現場にいることが成功の前提です。スタッフだけに任せると、以下の問題が発生します:

  • 品質管理が甘くなる
  • 接客レベルが低下する
  • 人件費が高騰する
  • 売上が想定より30-50%減る

副業で失敗するパターン

  • 平日はスタッフ任せ→品質バラつき→客離れ
  • 週末だけ顔を出す→問題の発見が遅れる
  • 売上データを見ない→改善策が打てない

どうしても副業でやる場合の条件

  • 信頼できる店長を雇う(月給30万円以上)
  • 遠隔監視カメラで常時チェック
  • 週末は必ず現場に入る
  • 売上目標を月商150万円に下げる(現実的なライン)

Q3: FC契約は途中解約できる?

A: 契約内容によります。一般的には違約金が発生します。

FC契約は通常、3年または5年の期間が設定されています。途中解約する場合、以下のコストが発生するケースが多いです:

契約前にチェックすべき項目

  • 契約期間(3年か5年か)
  • 途中解約の条件(本部の承認が必要か)
  • 違約金の金額(残期間のロイヤリティ分など)
  • 設備の買取義務(本部が設備を引き取るか)
  • 競業避止義務(契約終了後、同業種で開業できるか)

撤退コストの相場

  • 違約金:50-200万円(残期間による)
  • 設備処分費:30-100万円(本部が買い取らない場合)
  • 原状回復費:50-150万円(賃貸物件の場合)
  • 合計:130-450万円

つまり、途中で辞めると大きな損失が出ます。契約前に「最悪のシナリオ」を想定し、撤退コストを把握しておくことが重要です。

Q4: 閉店ラッシュの今、開業は見送るべき?

A: 一概には言えません。「淘汰=参入チャンス」という見方もあります。

確かに、ブームのピークは過ぎたのは事実です。しかし、これは逆に言えば、競合が減っているということでもあります。

慎重に判断すべき3つのポイント

  1. 立地の競合状況:半径500m以内にからあげ専門店が2店舗以上あるなら見送る
  2. 自己資金の余裕:初期費用だけでなく、最低6ヶ月分の運転資金(200-300万円)を確保
  3. 長期戦略の有無:「ブームに乗る」のではなく、5年後も続けられる戦略があるか

「ブームに乗る」のではなく「長期戦略」で考える重要性

からあげフランチャイズで成功するには、最低3年の継続が前提です。1年目は赤字、2年目でトントン、3年目から黒字というパターンが一般的です。「すぐに儲かる」と考えず、長期的な視点で判断してください。

Q5: からあげFC以外で検討すべき飲食FCは?

A: テイクアウト型なら「焼き鳥」「弁当」、店舗型なら「ラーメン」「カフェ」などが選択肢です。

からあげフランチャイズと比較検討すべき業態として、以下が挙げられます:

テイクアウト型

  • 焼き鳥FC:初期費用400-900万円、客単価600-1,000円
  • 弁当FC:初期費用500-1,200万円、客単価500-800円
  • たこ焼きFC:初期費用300-700万円、客単価400-600円

店舗型

  • ラーメンFC:初期費用1,000-2,500万円、客単価800-1,200円
  • カフェFC:初期費用1,500-3,000万円、客単価600-1,000円
  • 牛丼FC:初期費用2,000-4,000万円、客単価500-700円

それぞれメリット・デメリットがあるため、自分の資金・経験・目標に合った業態を選ぶことが重要です。

まとめ

この記事では、からあげフランチャイズの「閉店ラッシュ」の実態を、データとYouTube取材経験をもとに徹底検証しました。重要なポイントを3つにまとめます:

  1. 閉店ラッシュは事実だが、全てが失敗しているわけではない
    ピーク時から約40%の店舗が閉店していますが、これは「淘汰」であり「業界崩壊」ではありません。戦略を持った店舗は今も繁盛しています。
  2. 失敗の原因は「競合過多」だけでなく、立地選定・価格戦略・マーケティングの甘さ
    「駅前なら安心」「FC本部任せで大丈夫」という考えは通用しません。オーナー自身が経営スキルを身につけ、主体的に動くことが成功の条件です。
  3. 成功の鍵は「差別化」「地域密着」「オムニチャネル」の3つ
    価格競争に巻き込まれず、固定客を増やし、複数の販売チャネルを持つこと。これが2024年以降の生き残り戦略です。

ブームの波が去った今こそ、冷静な判断と長期戦略が求められます。開業前に必ず以下を実行してください:

  • 複数のFC本部を比較検討する(最低3社)
  • 収支シミュレーションを自分で検証する(楽観的な数字に惑わされない)
  • 立地の商圏分析を徹底する(競合・通行量・世帯数)
  • 撤退コストを事前に把握する(最悪のシナリオを想定)

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