フランチャイズのロイヤリティ免除は本当にある?『おウチdeお肉』オーナー謝罪動画から読み解く実態
フランチャイズ加盟を検討する際、多くの方は『毎月決まったロイヤリティを支払えば本部のサポートを受けられる』というシンプルな仕組みをイメージするのではないでしょうか。しかし実際の現場では、経営状況の悪化や本部担当者との個人的な関係性によって、契約書には書かれていない柔軟な取り決めが生まれることもあります。今回取り上げるのは、精肉系フランチャイズ『おウチdeお肉』のオーナーが自らのチャンネルで公開した謝罪・自己暴露動画です。加盟後にロイヤリティの一部が免除されていたという赤裸々な告白から、独立開業を検討している方が知っておくべき契約上のリスクと、本部との関係構築のポイントを整理していきます。
『ロイヤリティ免除』告白動画とは?謝罪の背景を整理
動画は『第2弾』と銘打たれ、以前の動画で軽く触れていた内容を改めて詳しく説明する『時効暴露』という位置づけでスタートします。オーナー自身が『実は実はなんですけど』と切り出し、ロイヤリティの支払いを免除してもらっていたことを視聴者に告白する場面は、フランチャイズ経営の裏側を知る上で非常に生々しい内容です。

本部の担当者(動画内では『ハムさん』と呼ばれる人物)とお互いに『言わないでおこうね』という暗黙の了解があったものの、別の場でハムさんが言及したことをきっかけに、オーナー自身が正式に公表する決断をしたという経緯が語られています。フランチャイズ本部と加盟店の関係は、契約書だけでなく人間関係やその場の状況判断によって運用が変わることがある、という実態が垣間見える導入部分です。

加盟金・物件取得費は全額支払い済み、免除はロイヤリティのみだった事実
誤解を避けるために強調されているのが、加盟金や物件取得費用、レジなどの初期投資費用はすべて正規の金額を支払っているという点です。免除されていたのはあくまで毎月発生するロイヤリティのみであり、開業までにかかる費用に関しては一切値引きや猶予はなかったとオーナーは説明しています。これはフランチャイズ契約における『初期費用』と『継続費用(ロイヤリティ)』が別枠で管理されていることを示す好例といえるでしょう。

具体的な金額についても言及があり、オープンした昨年12月から翌年5月頃までの数か月間、月額5万5千円のロイヤリティが免除され、合計で4か月分・22万円相当の金額が実質的に猶予・免除されていたことが明かされています。フランチャイズのロイヤリティは事業規模によって月数万円から数十万円と幅がありますが、数か月分がまとめて免除されるというのは決して小さな金額ではなく、本部側にとっても加盟店継続を優先した特例対応だったことがうかがえます。

なぜロイヤリティ免除が実現したのか?本部との認識のズレを検証
免除に至った経緯については、オーナーと本部担当者の間で認識の食い違いがあったことが率直に語られています。以前の対談動画で本部担当者から『ロイヤリティを払っていないのでは』と指摘を受けた際、オーナーは感情的な反論モードになってしまい、当時の説明が本部側の認識とずれていたとのことです。

背景には、当時オーナーが5月頃に店舗の売却や閉店を検討していたという経営上の事情がありました。在庫切れなどの問題も重なり経営が苦しい状況の中で、本部側からロイヤリティ免除の提案があり、それを受けて『残ってもいいか』という判断に至った、というのがオーナー自身の認識です。ただし本部側の認識は異なる可能性があるとして、最終的には『言った言わないの水掛け論』になっていると本人も認めています。


『広告費として計上』はフランチャイズ契約上どこまで妥当か
本部担当者からは『ロイヤリティ免除は山本君だから特別』という個人的な配慮に加え、『広告費として考えていた』という説明もあったとされています。フランチャイズ本部にとって、加盟店の閉店は看板やブランドイメージの毀損につながるため、閉店を防ぐための投資を広告宣伝費的に扱うという発想自体は、業界的に珍しいものではありません。

しかしオーナー自身は、免除された金額が積み重なるにつれて『もはや広告費の範囲を超えているのではないか』と違和感を覚えたことも正直に語っています。数か月にわたり数十万円規模の免除が続く場合、それを単なる販促投資として片付けるのは会計上も契約上もグレーゾーンであり、本部・加盟店双方が書面で条件を明確にしておくべき事案だったといえるでしょう。

過去動画でも示唆されていた免除の伏線『曲がりでバナナ』回を振り返る
実はこの免除の件、今回が完全な初出ではありません。数か月前に公開された『曲がりでバナナ』というタイトルの動画内で、すでに加盟金絡みの話として軽く触れられていたことが明かされています。当時は『ほぼほぼ払っているけれど、10万円くらい得している』という控えめな表現にとどめられており、視聴者からすると聞き逃してしまいそうな伏線だったといえます。

今回の告白と照らし合わせると、この『10万円得している』という発言はロイヤリティ2か月分程度の免除を指していたと推測され、完全に隠していたわけではなかったことがわかります。とはいえ、視聴者や取引先から見れば『結局どこまでが本当なのか』という不透明さは残ってしまうため、経営の透明性という観点では反省点として語られています。

フランチャイズ経営者が知っておくべきロイヤリティ免除交渉のリスクと注意点
今回の一連の告白から見えてくる最大のポイントは、免除に至った経緯や理由がどうであれ『払っていないという事実』が重要であるとオーナー自身が結論づけていることです。契約上の理由づけがどうであれ、加盟店がロイヤリティを支払っていない状態が続けば、それは本部の収益構造やブランド全体の公平性に影響を与えかねません。

独立開業を検討している方にとってこのエピソードから学べる教訓は明確です。第一に、ロイヤリティの減免や猶予を受ける場合は、必ず金額・期間・理由を書面で残すこと。第二に、経営が苦しくなった際は感情的な対応を避け、早期に本部と冷静に協議する姿勢を持つこと。第三に、SNSや動画で経営の裏側を発信する場合、後から『言った言わない』のトラブルにならないよう、対外的な発言と実態にズレがないよう注意することです。最終的にオーナーは『お金がなかったので免除してもらっていた』と率直に締めくくっており、経営の苦しさを隠さず公表する姿勢自体は、独立開業者にとって参考になる部分もあるでしょう。

フランチャイズ本部と加盟店の関係は、契約書上のルールだけで完結するものではなく、経営状況や人間関係によって柔軟な運用がなされることも少なくありません。だからこそ、独立開業を目指す方は『本部との信頼関係構築』と『契約条件の明文化』の両方を意識し、万が一の経営不振時にも適切な対応が取れるよう備えておくことが重要です。