テトリア(Tetoria)フランチャイズの実態は?就労継続支援A型事業所の初期費用・収益モデル・実店舗の数字を徹底解説
就労継続支援A型事業所は、障害のある方の就労をサポートしながら国からの給付金と生産活動による収入の両方を得られる、社会貢献性の高いビジネスモデルです。一般的な飲食・小売フランチャイズとは異なる収益構造と行政手続きの複雑さがあり、正しい理解なしに参入すると想定外の資金繰りに苦しむケースも少なくありません。今回は就労継続支援A型フランチャイズ「テトリア(Tetoria)」の本部代表インタビューをもとに、ビジネスモデルの仕組み、初期費用、開業までの行政ハードル、そして実際に運営している直営店舗のリアルな収支数字まで、包み隠さず解説します。
テトリア(Tetoria)とは?就労継続支援A型事業所フランチャイズの概要
テトリアは共同経営の代表2名によって運営されている就労継続支援A型事業所のフランチャイズ本部です。就労継続支援A型事業所とは、障害のある方を雇用する「箱」となる事業所を作り、そこで仕事をしてもらいながら自立支援を行う福祉サービスの一種です。一般的な人材派遣業とは異なり、障害者雇用促進と福祉的支援を両立させる枠組みである点が大きな特徴といえます。

事業所を立ち上げた後は、障害のある利用者を雇用契約のもとで雇い入れ、仕事を提供しながら就労をサポートしていく流れになります。一般的なアルバイト・パート雇用と違い、支援員によるサポート体制の構築や個別支援計画の作成など、福祉サービスならではの運営ノウハウが求められる点は開業前にしっかり押さえておきたいポイントです。

テトリアの収益モデル|生産活動収入と福祉収入(助成金)の仕組み
テトリアの収益は大きく分けて「生産活動収入」と「福祉収入(給付金)」の2本柱で構成されています。生産活動収入は利用者が実際に働いて生み出す売上で、これは最低賃金以上を必ず利用者本人に還元しなければならないというルールがあります。一方の福祉収入は、障害のある方をサポートしながら働かせる事業所に対して国から支払われる給付金にあたり、この2つを合算したものが事業所全体の売上となります。

テトリアが提供する仕事内容は主に2種類で、倉庫での仕分け作業といった外部での就労と、建築資材の洗浄作業のような事業所内での就労に分かれます。地域の状況や利用者の適性に応じて、どちらか一方あるいは両方を組み合わせて提供できる柔軟性があります。

給付金の金額は事業所の実績評価によって変動しますが、立ち上げたばかりの事業所では利用者1人が1日利用するごとに国から約7,000円弱が支払われる水準からスタートするのが一般的とされています。ただし福祉業界特有の事情として、入金サイクルが2ヶ月ほど遅れるため、キャッシュフロー管理には特に注意が必要です。

開業に必要な初期費用・運転資金はいくら?加盟金から店舗工事費まで
テトリアへの加盟にあたっては、加盟金300万円・保証金100万円・研修費100万円の合計500万円が本部への支払いとして必要になります。これに加えて店舗の工事費や毎月の家賃といった費用が発生するため、実際の開業総額はさらに膨らむことになります。

店舗については、建築資材の洗浄作業を行うための一定の広さが求められ、利用者1人あたり3.3平方メートルの作業訓練室を確保しなければならないというルールがあります。さらに事務室や地域によっては多目的室の設置も求められるなど、消防法や建築基準法に基づく細かな要件をクリアする必要があります。

特に注意すべきなのは運転資金です。生産活動収入は利用者にそのまま還元しなければならず、給付金の入金も2ヶ月ほど遅れるため、開業当初はキャッシュアウトが先行しやすい構造になっています。本部からは運転資金として500万円程度の用意が推奨されており、これらを合算すると開業までにトータルで1400万円前後、実際の立ち上げ時点で800万〜900万円程度を使い切る計算になります。


開業までの流れと行政認可のハードル|なぜ時間がかかるのか
テトリアは現在10店舗規模まで拡大しており、実績を積み重ねてきたフランチャイズ本部といえます。しかし開業までの道のりは決して平坦ではなく、行政の許認可を得るまでに相応の時間がかかる点は事前に理解しておく必要があります。

就労継続支援A型事業所の開業には、消防法上の基準を満たしているかを消防署に、建物としての適合性を建築部門に、そして最終的な事業認可を障害福祉課に、それぞれ個別に確認・申請する必要があります。行政の縦割り構造のため、どこか一つが早くても全体の許認可が揃わなければ開業できないという難しさがあります。

この業態が必要とされている根拠として、全国で就労を希望する障害のある方はおよそ300万人存在する一方、事業所の数はおよそ4,000弱、受け入れ可能な人数は16万人程度にとどまっているというデータが紹介されています。需要に対して供給が大きく不足している状況は、地域を選べば十分にビジネスチャンスがあることを示しています。

また立地選定においては、都会よりも田舎の方が向いているとされています。理由は、就労継続支援A型事業所は原則として1階または2階での運営が求められ、高層階では障害のある利用者の避難がしにくいためです。加えて都市部は物件の家賃や競合の多さもネックになりやすく、ランニングコストを抑えられる地方の方が長期的な安定運営に適していると本部側もアドバイスしています。

【実店舗の数字公開】テトリア取手店の赤字から黒字化までのリアルな収支
本部が運営する実験店舗である「テトリア取手店」の実際の数字も公開されました。固定費は月100万円前後で、内訳は家賃20万円、人件費40万円、さらに個別支援計画書の作成に必須となるサービス管理責任者の人件費なども含まれています。

開業初月は利用者集めがまだ進んでいないため、マイナス94万円という大きな赤字からのスタートとなりました。ここから徐々に登録者(雇用契約を結んだ利用者)を増やしていく地道な期間が続きます。

その後、関連施設への告知活動などを通じて利用者登録が徐々に増加し、開業から半年〜1年ほどで登録者数10名前後に到達しました。ただし途中で退職する利用者もいるため、単純な右肩上がりではなく増減を繰り返しながらの推移となっている点も注目です。

大きな誤算となったのが生産活動収入です。当初想定していた倉庫の仕分け業務は、倉庫会社側から「5人一組でのチーム対応」を求められ、単独の障害者利用者だけでは受託が難しいという事情が判明しました。その結果、生産活動収入は本来100万円規模を見込んでいたにもかかわらず、実際には15万円程度にとどまってしまったのです。

この課題を解消するため、5月〜6月頃から改めて倉庫業務の稼働を軌道に乗せる計画が進められています。5名体制で1日5時間、時給900円で稼働できれば1日あたり2万円、月20日稼働で40万円の生産活動収入が見込め、これが実現すれば当時の赤字58万円がほぼ解消される計算になると説明されています。

失敗談から学ぶ成功のポイント|生産活動収入と利用者定着の重要性
実験店舗では当初用意した1500万円の資金が開業から数ヶ月でほぼ使い切られたことも赤裸々に語られました。想定より生産活動収入の立ち上がりが遅れたことが主な要因であり、資金計画には十分な余裕を持たせる必要があることを物語る事例です。

収支のロードマップとしては、1年目が赤字、2年目で黒字転換、3年目にしっかりとした黒字化、4年目で投資回収というモデルが示されています。この時間軸を事前に理解し覚悟した上で加盟するかどうかが、開業後の資金繰りへの向き合い方を大きく左右するポイントになります。

この失敗と改善の経験を踏まえ、本部では生産活動収入の多角化にも取り組んでいます。古物商許可を取得した不用品回収・洗浄・販売事業や、地域のニーズが高い便利屋業務(网戸の張り替え、草刈り、粗大ゴミ回収など)を新たな仕事として開発し、加盟店に提供する体制づくりが進められています。

テトリアのフランチャイズ加盟は向いている?まとめと問い合わせ方法
就労継続支援A型事業所のフランチャイズは、社会的意義の大きさとストック型の収益構造が魅力である一方、初期費用・運転資金の規模、行政認可の複雑さ、そして生産活動収入の立ち上げの難しさなど、他業種のフランチャイズにはない特有のハードルが存在することがテトリアの事例からも明らかになりました。特に開業初年度は赤字が前提となるケースが多いため、余裕を持った資金計画と、本部が提供するノウハウ・サポート体制をどこまで活用できるかが成功の分かれ目になるといえるでしょう。
今回紹介した実店舗の数字は、まさに実験店舗としてリアルな失敗と改善のプロセスを公開したものであり、これから加盟を検討する方にとって非常に貴重な参考情報です。田舎エリアでの出店を軸に、需要と供給のギャップが大きい今のタイミングだからこそのチャンスもあります。興味を持った方はぜひ本部への問い合わせや詳細資料の請求から検討をスタートしてみてください。
