fv

コンビニフランチャイズは儲かる?オーナー経験者が語る年収・ロイヤリティ・地域差のリアル

フランチャイズで独立開業を検討するとき、真っ先に候補に挙がる業態のひとつがコンビニエンスストアです。全国どこでも見かける安定感がある一方で、ニュースでは「オーナーが疲弊している」「経営が苦しい」といった話題も後を絶ちません。今回は、実際にコンビニフランチャイズを最大10店舗まで経営していた中根さんに、独立検討者が本当に知りたい年収のリアルやロイヤリティの仕組み、そして深夜対応の壮絶エピソードまで、包み隠さず語っていただきました。これからコンビニ経営を検討している方はもちろん、フランチャイズ全般の仕組みを理解したい方にも参考になる内容です。

コンビニフランチャイズは地域によって儲かりやすさが変わる理由

コンビニ経営が儲かるかどうかは、実は「地域選び」が非常に大きな影響を持っています。中根さんによると、おにぎりや飲料といった商品の販売単価は全国どこでもほぼ一律である一方、最低賃金には地域ごとに大きな差があります。例えば沖縄と東京を比較すると、売上自体は東京の方がやや高い傾向にあるものの、それ以上に人件費の差が大きく、結果として最低賃金が低いエリアの方が利益を残しやすい構造になっているのです。

最低賃金と商品単価の地域差を説明するシーン
おにぎりの単価は全国一律でも、人件費は地域によって大きく異なります

もちろん、本部に支払うロイヤリティは地域によって変わらないため、人件費というコントロール可能な経費部分でどれだけ差をつけられるかが収益性のカギになります。中根さんは、都心部の中でも突出して売上の高い店舗であれば十分に利益は出せるものの、平均的な売上規模の店舗では以前より経営が厳しくなってきていると指摘しています。これから出店エリアを選ぶ際は、単純な立地の良し悪しだけでなく、最低賃金水準や周辺の労働市場の状況もあわせて確認することが重要です。

都市部と地方の収益性の違いを語る場面
売上が高くても人件費負担が大きければ手残りは減ってしまいます

コンビニオーナーの年収実態、儲かっている人は本当に多いのか

「コンビニオーナーは損しているのか、得しているのか」という率直な質問に対し、中根さんは「まだ得している人の方が多い」と答えています。ただし、経営に苦しむオーナーの話ばかりがニュースで取り上げられがちで、実際に儲かっている人はあまり表に出てこないという構造的な問題があるとも語っています。年収1,000万円や1,500万円を稼いでいるオーナーも一定数存在しますが、そうした方々はわざわざ「儲かっています」とは公言しないため、世間のイメージと実態にはギャップが生まれやすいのです。

年収1000万〜1500万オーナーの存在について言及する場面
成功しているオーナーほど表舞台には出てこない傾向があります

気になる中根さん自身の実績については、最大10店舗を経営していた時期の合計年収が、時期によって300万円から500万円程度だったと明かしています。10店舗規模でこの水準というと物足りなく感じるかもしれませんが、後述する「赤字になりにくい仕組み」があるため、経営の安定性という観点では評価できるビジネスモデルだと言えるでしょう。

中根さん自身の10店舗合計の年収額を語る重要発言
10店舗経営でも年収300〜500万円という規模感がリアルなところです

赤字になりにくい仕組み、最低保証制度とロイヤリティの実態

コンビニフランチャイズの大きな特徴として、多くの本部が「最低保証制度」を設けている点が挙げられます。これは、たとえ売上がゼロだったとしても、粗利ベースで最低170万円程度を本部が保証してくれるという制度です。この保証額の範囲内に人件費や廃棄ロスなどの経費を収めることができれば、理論上は絶対に赤字にならない仕組みになっているのです。

最低保証制度170万円の説明図解が欲しい場面
売上ゼロでも最低170万円の粗利が保証される仕組みがオーナーを守っています

実際の収益構造をもう少し具体的に見てみましょう。コンビニの平均的な月商は約1,500万円で、そのうち粗利率がおよそ30%とすると粗利額は450万円になります。ここから本部に支払うロイヤリティが60%程度差し引かれるため、手元に残るのは4割弱、つまり200万円弱です。そこからさらに人件費や光熱費などの経費を差し引いた金額が、オーナーの実質的な手残りとなります。

月商1500万円から手残りまでの収益構造の計算
粗利450万円からロイヤリティ60%を引くと手元に残るのは200万円弱です

ただし、このロイヤリティ60%という水準について、中根さんは経営者時代から「正直高いと感じていた」と本音を漏らしています。POSシステムによる緻密なデータ管理など本部側のサポート体制は評価しつつも、このロイヤリティ率が50%程度まで下がれば、オーナーの生活水準は大きく変わるはずだと語っており、契約前にはロイヤリティ率と保証内容のバランスをしっかり確認する必要があるでしょう。

ロイヤリティ60%の高さについての本音発言
本部のサポート力は評価しつつも、ロイヤリティ率の高さは悩みの種だったようです

新規出店より居抜き物件がおすすめな理由

これからコンビニフランチャイズへの加盟を検討している方に向けて、中根さんは「居抜き物件でのオーナー引き継ぎ」を強くおすすめしています。理由はシンプルで、既存店舗であれば過去の売上実績がデータとして残っているため、加盟前にどの程度の利益が見込めるかをある程度正確に予測できるからです。

居抜きオーナー引き継ぎのメリットを語る場面
売上実績が見えている居抜き物件はリスクを抑えた出店が可能です

一方で新規出店の場合は、開店してみるまで売上が読めず、「売れるだろう」という想定のもとで人件費などのコストを先行投入してしまうケースが少なくありません。予想が外れて売上が伸び悩んだ場合、一度雇用してしまったスタッフを簡単に減らすこともできず、そのまま大きな赤字を抱え込んでしまうリスクがあります。立地さえきちんと見極めれば、居抜きでの引き継ぎは初心者オーナーにとって非常に堅実な選択肢と言えるでしょう。

24時間365日営業の落とし穴、72時間勤務の壮絶エピソード

収益面での仕組みが理解できたところで、コンビニ経営最大の壁とも言えるのが「24時間365日営業」という運営体制です。中根さんは、各店舗に店長を配置してシフト管理を任せていたものの、深夜のアルバイトスタッフが突然出勤できなくなるという事態が頻発したと振り返ります。夜12時ごろに店長から「スタッフが来ません、どうしましょう」と連絡が入るのは日常茶飯事だったそうです。

深夜バイト不在時の緊急連絡シーンの再現
深夜の欠勤連絡はオーナーにとって精神的にも大きな負担になります

店長自身が労働基準法の上限まで働いてしまい、それ以上シフトに入れない場合、最終的に駆けつけるのはオーナー本人しかいません。中根さんは、コンビニ経営を始めて5年目を迎え、生活水準がある程度豊かになっていたにもかかわらず、結局は深夜のアルバイトのように自ら店頭に立たざるを得なかった経験を明かしています。中でも衝撃的なのは、最大で72時間連続勤務をしたことがあるというエピソードです。人間の感覚は次第に麻痺していき、「呼ばれたら行くしかない」という状態に陥ってしまうと語っており、24時間営業という業態の過酷さを物語るエピソードと言えるでしょう。

72時間勤務という衝撃発言のタイミング
最大72時間の連続勤務という壮絶な経験を明かしてくれました

沖縄ファミリーマートのエリアフランチャイズ制度が特殊な理由

地域差の話題の中で特に興味深いのが、沖縄のファミリーマートに関するエピソードです。沖縄のファミリーマートは「エリアフランチャイズ制度」という仕組みを採用しており、地場の有力企業が本州のフランチャイズ本部とは別に運営を担っています。そのため、ちんすこうや焼きたてパンといった沖縄ならではの商品展開が可能になっており、本州の一般的なファミリーマートと比べて地域に根付いた運営ができている点が特徴です。

エリアフランチャイズ制度の説明図解が有効
地場企業が運営を担うエリアフランチャイズ制度が沖縄での高い売上につながっています

こうした独自路線が功を奏し、沖縄のファミリーマートは本州の店舗よりも売上がやや高い傾向にあるとされ、エリアフランチャイズ制度の成功事例として評価されています。ただし、近年はセブンイレブンが沖縄市場へ本格参入してきており、今後の競争環境がどう変化していくかは注意が必要だと中根さんは指摘します。10年前であれば沖縄でファミリーマートを経営していれば大きな利益が見込めた状況ですが、市場環境は常に変化しているため、過去の成功事例だけを鵜呑みにせず、最新の競合状況を確認する姿勢が求められます。

セブンイレブン参入による今後の懸念発言
セブンイレブンの参入により沖縄市場の競争環境は今後変化していく可能性があります

コンビニオーナーの闇、経営未経験者が陥りやすい罠

コンビニフランチャイズには、経営経験のないままオーナーになってしまうことで生じる「闇」の部分も存在します。中根さんは、深夜の店舗で60代、70代と思われる疲れ切った様子のオーナーがレジに立っている光景は、地方では決して珍しくないと語ります。長年サラリーマンとして勤め上げてきた方が定年後に加盟するケースでは、マネジメントや経営の経験が乏しいまま、本部やスーパーバイザー(SV)の指示を鵜呑みにして走り出してしまうことが多いのです。

サラリーマン出身オーナーの経営リテラシー不足を指摘
経営未経験のまま加盟すると、思わぬ落とし穴にはまりやすくなります

その結果、急な欠員が出てもうまく人を雇えず、しかもオーナー自身には労働基準法の上限が適用されないため、48時間、場合によってはそれ以上の連続勤務を強いられてしまうケースが発生します。それでも中根さんは、コンビニ業界には人情味のある一面もあると振り返ります。あまりの過酷な状況を見かねた担当のSVが、有志を募って複数人で店舗に駆けつけ、レジ打ちを手伝ってくれたという実話も紹介されました。オフィシャルな制度ではないものの、こうした現場の助け合いによって何とか乗り越えられているオーナーも少なくないようです。ただし、そうした助けがあっても疲弊が続けば、最終的にオーナー自身が経営を投げ出してしまう「オーナーが飛ぶ」という事態にもつながりかねず、経営未経験者が加盟する際にはあらかじめ人手不足への備えを十分にしておくことが欠かせません。

SVが助けに来てくれた実話エピソード
担当SVが有志を集めて駆けつけてくれたという心温まるエピソードもあります

まとめ:コンビニフランチャイズを成功させるための2つの条件

今回の対談を通じて見えてきたのは、コンビニフランチャイズが「最低保証制度」という手厚いセーフティネットにより赤字になりにくい一方で、24時間365日営業という運営体制が経営者に大きな身体的・精神的負担を強いる、光と影が同居するビジネスモデルだということです。中根さんが繰り返し強調していたのは、「シフトが崩壊した際に自分自身で店頭に立てるだけの体力・気力があるかどうか」と「最低賃金や競合環境を踏まえた地域選び」という2つの条件です。

結論としてのシフト管理と地域選定の重要性まとめ
シフト管理の覚悟と地域選びが、コンビニ経営成功のカギを握ります

これからコンビニフランチャイズへの加盟を検討している方は、収益シミュレーションだけでなく、いざという時に自分自身が現場に入る覚悟を持てるかどうかも含めて、じっくりと検討することをおすすめします。居抜き物件を選ぶ、地域の労働市場を調べる、契約内容の最低保証とロイヤリティ率を細かく比較するなど、今回紹介したポイントを押さえておけば、リスクを抑えながら独立開業への一歩を踏み出せるはずです。