【本部が「最低な店」と発言】焼き鳥3級・亀有店はなぜ大赤字になったのか徹底解説
フランチャイズ独立開業を検討している方にとって、実際に加盟したオーナーのリアルな収支報告ほど参考になる情報はありません。今回取り上げるのは、人気YouTubeチャンネル『フランチャイズ探偵団』に出演した焼き鳥3級・亀有店オーナー加藤さんの10月売上報告です。前月に続き大幅な赤字となり、本部代表からは「最低な店」とまで言われてしまったというショッキングな内容でした。この記事では、なぜ赤字が拡大したのか、その背景にある人件費・設備・営業時間といった複数の要因を整理し、飲食フランチャイズ特有のリスクや、開業前に知っておくべき注意点を交えながら解説していきます。
焼き鳥3級・亀有店とは?今回の売上報告の概要
焼き鳥3級は、20店舗以上を展開する居酒屋業態のフランチャイズブランドです。亀有店は2023年9月にオープンしたばかりの新店舗で、オーナーの加藤さんにとっては初めての飲食業経営でした。前回の出演時には初月の赤字額を訂正し、実質22万円程度の赤字だったことが判明しています。そして今回報告された10月の数字は、さらに厳しいものとなりました。

飲食フランチャイズはオープン初期に一定の来店があっても、その後の継続的な集客が課題になりやすい業態です。特に個人が未経験からオーナーになるケースでは、初月・2ヶ月目の数字だけで一喜一憂せず、半年〜1年単位でのキャッシュフロー計画を立てておくことが重要になります。
10月度の売上実績:売上98.9万円・営業利益マイナス34万円の内訳
10月の売上は98万9000円、営業利益はマイナス34万円という結果でした。前月と比較すると売上が約15万円下落しており、これだけでも厳しい状況ですが、追い打ちをかけたのが人件費です。10月の人件費は54万円で、9月よりは14万円ほど下がったものの、目標としていた40万円を大きく超過していました。

飲食店経営において人件費率は非常に重要な指標です。一般的に飲食業では人件費率を売上の30%前後に抑えることが健全経営の目安とされますが、亀有店の場合は売上が伸び悩んでいる中で人件費だけが高止まりしてしまい、結果として利益を大きく圧迫する構造になってしまっていました。
赤字理由その1 ワンオペが困難でツーオペ化、人件費増加の実態
当初はオーナーとアルバイト1名によるワンオペ体制を想定していましたが、実際に運営してみるとワンオペには大きなリスクがあることが判明しました。アルバイトが体調不良で当日欠勤した場合、代わりに入れる人材がいないため、店を開けられなくなってしまうのです。

この課題への対応として本部に相談したところ、近隣にある系列3店舗でカバーする体制があるとの説明があったものの、実際には1店舗だけでは十分にリスクヘッジができない状況でした。そのため加藤さんは急遽ツーオペ体制に切り替えましたが、これが人件費増加の直接的な要因となっています。

一般的に人員配置は「売上に応じて柔軟に変える」ことが理想ですが、亀有店のように1日の売上が7000円程度まで落ち込む日にツーオペで固定してしまうと、人件費だけが確実に発生し利益を圧迫します。開業前には最低限のシフト設計だけでなく、緊急時のバックアップ体制まで具体的に本部側と擦り合わせておくことが欠かせません。
赤字理由その2 ダクトが弱く煙が充満、客離れを招いたテナント問題
焼き鳥業態である以上、調理時に煙が発生するのは当然ですが、亀有店のテナントは煙を排出するダクトの能力が弱く、店内に煙がこもってしまう状態が続いていました。これにより「煙たい店」という印象がついてしまい、リピート率の低下につながったと加藤さんは分析しています。

実際に来店客からも「煙い」というフィードバックが寄せられていたとのことで、9月・10月と徐々に客足が伸び悩んだ大きな要因の一つとされています。ダクトを交換する工事を行えば改善は見込めるものの、費用は物件によって異なるとはいえ、おおよそ100万円前後かかるとされ、開業直後の店舗にとっては非現実的な投資額です。

物件選定時に厨房設備・排気設備の状態を十分に確認しないまま契約してしまうと、開業後に大きな追加投資が必要になるケースは飲食フランチャイズで少なくありません。特に焼き鳥・焼肉など煙や匂いが強く出る業態では、内見時に必ず排気設備の能力を専門家目線でチェックすることが重要です。
本部代表に「最低な店」と言われた理由と開閉店時間の課題
今回の報告で特に印象的だったのが、本部代表から「20店舗以上ある中で一番最低な店」と言われてしまったというエピソードです。その理由は売上の低さそのものよりも、決まった時間に店を開け、決まった時間に閉めるという飲食店として基本中の基本ができていなかった点にありました。

実際、17時半オープンの予定が18時にずれ込むといったケースが度々あったとのことで、これはワンオペ体制でアルバイトが急用で来られない際に対応しきれなかったことが原因でした。営業時間の遵守は顧客との信頼関係の基盤であり、これが崩れることはブランドイメージ全体への悪影響にもつながります。

フランチャイズは看板を借りて営業する以上、個店の些細な運営ミスがブランド全体の評判に影響を及ぼしかねません。オーナー自身が「基本を守ること」の重要性を痛感したというこのエピソードは、これから開業する方にとっても大きな教訓と言えるでしょう。
オーナー自ら現場入りで人件費削減、収録という働き方の実態
状況を打開すべく、加藤さんは11月から本業の合間を縫って自ら店舗に立つ「収録」というスタイルで現場に入るようになりました。これにより人件費をゼロに近づけられる時間帯が生まれ、赤字幅を抑える取り組みが始まっています。

興味深いのは、オーナー自身が現場に入ることで得られる副次的なメリットです。プライベートでの外食や飲み会の機会が減り、結果として個人の生活費が浮くという、いわば「結論プラス」の状態になったと加藤さんは笑いながら語っていました。

実際、フランチャイズオーナーの中にはオープン当初から自ら現場責任者として立ち続ける方が半数近くいるとも言われています。特に飲食業は「現場に立つ人がどれだけ機動的に人員や在庫を調整できるか」が利益率を大きく左右するため、監視カメラだけに頼った遠隔管理には限界があることも今回のエピソードから見えてきます。
11月・12月の売上見込みと立て直しに向けた集客施策
11月に入ってからの売上見込みは、前半の実績をもとに計算すると月間80万円程度になる見通しで、10月よりもさらに下がる可能性が示されています。飲食業界全体でも10月・11月は閑散期にあたるとされ、季節要因も影響していると考えられます。

集客施策としては、SNS発信のほか、地域に密着したYouTuberに取り上げられたことで一部来店につながった例もあるものの、決定打とまでは言えない状況です。現状はほぼ通りがかりの呼び込みによる集客が中心で、目標としている11月売上90万円を達成しても依然としてマイナス30万円程度の赤字が見込まれています。

一方で12月は忘年会シーズンにあたるため、団体予約や宴会需要による売上増加が期待されています。飲食フランチャイズにおいては季節性を踏まえた年間の収支計画を立てることが不可欠であり、閑散期の赤字をどこまで許容できるかという資金繰りの見通しが経営継続のカギを握ります。
まとめ フランチャイズ開業のリアルと今後の展望
今回の亀有店の事例は、飲食未経験からフランチャイズオーナーになった際に直面しがちな課題を凝縮したケースと言えます。ワンオペ運営の限界、設備トラブルによる客離れ、営業時間管理の甘さなど、開業前には見えにくいリスクが複合的に重なり、結果として大きな赤字につながってしまいました。

番組内でも、赤字を漫然と継続するくらいなら早めに見切りをつけて撤退する方が精神衛生上望ましいという意見が交わされており、これは飲食フランチャイズ経営における重要な視点です。撤退基準をあらかじめ数値で決めておくことは、感情に流されず冷静な経営判断を下すために欠かせません。

今回は赤字店舗の事例でしたが、同じブランド内には黒字経営を実現している店舗も存在します。フランチャイズ選びにおいては、成功事例だけでなく、こうした苦戦事例からも学べることが数多くあります。独立開業を検討している方は、良い面・厳しい面の両方を知った上で、自分に合ったブランドや業態を慎重に見極めることが大切です。