【おウチdeお肉】6月度売上報告を徹底分析|在庫切れとレジ障害で赤字15万円に陥った理由
フランチャイズ加盟店の運営では、順調に見えていた店舗でも思わぬトラブルで一気に業績が崩れることがあります。今回ご紹介する「おウチdeお肉」の6月度売上報告は、まさにその典型例といえる内容でした。オープンから半年以上が経過し、ようやく軌道に乗るかと思われた矢先に、在庫切れとセルフレジの不具合という二つの問題が重なり、過去最低の売上と赤字を記録してしまったのです。この記事では、動画で語られた具体的な数字と背景をもとに、独立開業を検討している方に向けて、フランチャイズ運営で起こりうるリスクとその対処法を掘り下げていきます。
「おウチdeお肉」フランチャイズの収支推移|オープンから6月までの実績
「おウチdeお肉」は2022年12月にオープンしたフランチャイズ店舗です。動画では開業からの月次利益がすべて公開されており、12月はマイナス11万円、1月もマイナス11万円、2月はマイナス2万円まで赤字を縮小したものの、3月は再びマイナス10万円、4月はマイナス13万円、5月はマイナス12万円と、依然として黒字化には至っていない状況が続いていました。

フランチャイズビジネスにおいては、開業直後の数ヶ月は認知度の低さや運営体制の未整備などから赤字が続くケースは珍しくありません。しかし半年を過ぎても安定した黒字化が見えない場合、原価構成や人件費、集客施策そのものを見直す必要があるといえるでしょう。今回のケースでも、この後さらに深刻な事態が発生することになります。
6月度は過去最低売上22万6000円、赤字15万円を記録
これまでの赤字傾向を受けて「6月はV字回復できるのか」という期待もありましたが、結果は真逆でした。6月の利益はマイナス15万円と、これまでの中でも最大の赤字を記録。さらに売上そのものも過去最低の22万6000円まで落ち込んでしまいました。

この売上・利益の落ち込みには、単純な集客不足だけでなく、店舗運営上の明確な事故が絡んでいました。オープンから半年以上経過し、ようやく体制が固まりつつあると思われていたタイミングでの大幅な後退は、経営者にとっても想定外の出来事だったといえるでしょう。次の章から、その具体的な原因を詳しく見ていきます。
赤字拡大の原因①人気商品の在庫切れと店長採用の失敗
1つ目の原因は、看板商品であるユッケ・ハンバーグ・餃子の在庫切れです。5月に新たに店長的な役割を担うスタッフを雇用したものの、実際には発注業務がうまく行われておらず、結果として6月に人気商品の在庫が完全に枯渇してしまいました。

問題が発覚したのは、経営陣が6月中旬に実際に店舗を訪れた際でした。店長は週1回のペースで店舗を確認していたと説明していましたが、それでも在庫切れに気づけなかったという点は、発注管理の仕組み自体に不備があったことを示しています。

この一件を受けて、経営者自身が再び週1回のペースで店舗管理に入る体制へと戻されました。ユッケなどは発注から納品まで最大1ヶ月かかる商品もあり、在庫が切れてから復旧するまでにはかなりの時間を要したといいます。フランチャイズでは本部が仕組みを用意していても、現場での運用は加盟店側の裁量に委ねられる部分が大きく、人材採用や教育の質がそのまま業績に直結することがよくわかる事例です。独立開業を検討する方は、雇用したスタッフに業務を丸投げせず、発注状況を定期的にダブルチェックできる仕組みを最初から構築しておくことをおすすめします。
赤字拡大の原因②セルフレジ「ブレイン」補助金導入とバグ被害
2つ目の原因は、セルフレジシステム「ブレイン」の不具合です。このレジは補助金を活用することで定価148万円のシステムを大幅に安く導入できるという触れ込みで、今年2月に導入されたものでした。最大70万円の補助金が出るとされ、コストを抑えて最新のセルフレジを導入できる点は、多くの飲食・物販フランチャイズにとって魅力的な選択肢に見えたはずです。

ところが、このセルフレジには店舗によってエラーが発生する場合があり、今回の店舗ではまさに会計そのものができなくなるという深刻なトラブルに見舞われました。動画では、このエラーによって売上が2〜3日分吹き飛ぶほどの被害が出たと明かされています。単純計算でも売上の10%程度が消失した可能性があり、システム障害が経営に直結するリスクの大きさを物語っています。

補助金を活用した設備導入はコスト面では魅力的ですが、システムの安定性や店舗ごとの導入実績についても事前に確認しておくことが重要です。特に会計システムは売上に直結するインフラであるため、トラブル時のサポート体制やバックアップ手段(手書き対応やモバイル決済への切り替えなど)をあらかじめ準備しておくことが望ましいでしょう。安さだけで設備を選定すると、今回のような予期せぬ損失につながるリスクがあることを念頭に置いておく必要があります。
新体制スタート後の7月度売上はどう変化したか
6月末からは新たに山本さんが店舗運営を担当する体制に切り替わりました。動画撮影時点である7月14日現在の状況を確認すると、在庫はしっかりと補充されパンパンの状態になっており、在庫切れは解消されていました。

しかし、売上自体は7月14日時点で約8万5000円〜10万円程度と、月間ペースに換算すると17万〜20万円程度にとどまる見込みでした。これは6月の22万6000円をさらに下回るペースであり、広告施策を一切行っていない状態が続けば、7月も15万円程度の赤字になる可能性が示されていました。

在庫という守りの課題は解決できたものの、集客という攻めの施策が不足していることが、この時点での大きな課題として浮かび上がっていました。フランチャイズ店舗では、本部からの販促支援だけに依存せず、店舗独自でも集客の手を打っていく必要性が改めて浮き彫りになった場面といえます。この課題感が、次章で紹介するインスタ広告施策につながっていきます。
初めてのインスタ広告「ハンバーグ無料キャンペーン」の費用対効果を検証
7月頭には、これまで代理店任せだった広告運用を初めて自分たちの手で行う試みとして、インスタグラム広告を使った「ハンバーグ無料キャンペーン」が実施されました。7月5日の16時から20時限定で、来店者にハンバーグを無料で配布するという内容です。

結果として、広告費6144円に加え、無料配布したハンバーグ27個分の原価5400円を合わせた総支出は1万7595円。これに対し、来店した16組のうち実際に商品を購入した分の売上は9300円にとどまり、差し引き8200円の損失となりました。さらに人件費を含めれば、実質的なマイナスはさらに膨らむ計算になります。

一方で広告データそのものを見ると、インプレッション数1400・保存数47件という結果で、1保存あたりの獲得コストは約130円程度と、広告運用の観点では悪くない数字だったといいます。動画内でも広告の専門知識がないなりにノリでやったとしながらも、こうした指標を今後のキャンペーン設計に活かしていく姿勢が語られていました。

飲食店や食品販売のフランチャイズでは、SNS広告の反応を保存数やシェア数といった指標で評価することが増えています。単純な売上換算だけでなく、こうした指標をキャンペーンごとに記録し比較していくことで、次回以降の広告設計の精度を高めていくことができるでしょう。特に無料施策は目先の売上が立ちにくい一方で、認知拡大や登録者数の増加という中長期的な効果を測定する視点も欠かせません。
公式LINE運用開始で狙うリピーター獲得と食品ロス削減
今回のキャンペーンの大きな成果の一つが、公式LINEアカウントへの新規登録です。来店した27人のうち21人がLINE登録を行い、1登録あたりのコストは約400円程度という結果になりました。
実は「おウチdeお肉」ブランド全体としては、すでに公式LINEが存在し、登録者数は1万人規模にまで成長していました。しかし各店舗ごとの個別LINEはこれまで推奨されておらず、整備されていなかったといいます。

そこで、リピーター獲得にはLINEが有効だという判断から、開業8ヶ月を経てようやく自店舗独自の公式LINEアカウントの運用が始められました。動画内では、他業態であるうなぎ屋でも公式LINEの開封率の高さが実感されており、店舗単位でのLINE運用が今後のリピーター施策の柱になり得ることが語られています。

登録者が100人規模になれば、セール告知で5%程度の反応があると仮定しても5人前後の来店が見込め、廃棄予定の商品を活用したセール施策によって食品ロス削減とリピーター獲得を同時に狙えるという狙いも語られていました。フランチャイズ店舗においては、本部の共通施策だけに頼らず、店舗独自の顧客接点を持つことがリピーター獲得の鍵になるといえるでしょう。開業初期からLINEなどの顧客リストを構築しておくことは、将来的な販促コストの削減にも直結する重要な投資です。
フランチャイズ経営から学ぶ次の一手|効果的なキャンペーン設計とは
今回のハンバーグ無料キャンペーンについては、実施後の振り返りとして無料ではなく半額にしても良かったのではないかという反省点が語られています。無料配布では原価がそのまま持ち出しになる一方、半額であれば原価分は回収できるため、赤字幅を抑えながら集客効果を検証できたはずだという指摘です。

また、来店者の多くがハンバーグだけを受け取って他の商品は購入しないという行動を取っていた点も課題として挙げられていました。特に部活帰りの学生など、単価の低い客層が無料商品だけを目的に来店するケースが目立ち、ついで買いにはつながりにくかったといいます。

今後は、人件費や原価をきちんと回収できる設計のキャンペーンを定期的に実施していくことが、売上の安定化につながっていくと総括されています。フランチャイズ加盟店の経営においては、単発の集客イベントを話題作りだけで終わらせず、費用対効果を数値で検証し続ける姿勢こそが、長期的な黒字化への近道になるはずです。独立開業を目指す方も、キャンペーンを企画する際は必ず損益をシミュレーションし、最低限どこまでの反応があれば収支が合うのかを事前に定めておくことをおすすめします。
まとめ
今回の「おウチdeお肉」6月度報告からは、フランチャイズ運営における二つの重要な教訓が見えてきます。一つは、現場任せにせず経営者自身が定期的に店舗状況を確認する体制の必要性。もう一つは、集客施策を感覚ではなく数値で検証し、原価や人件費を回収できる設計に落とし込む重要性です。独立開業を検討している方にとっても、今回のようなリアルな失敗談は、開業後に起こりうるリスクを事前に把握するうえで非常に参考になる内容といえるでしょう。