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おウチdeお肉が「達人の一品」へ転換|撤退オーナー会潜入で判明したロイヤリティ0円フランチャイズの実態

おウチdeお肉が「達人の一品」へ転換|撤退オーナー会潜入で判明したロイヤリティ0円フランチャイズの実態

無人販売所フランチャイズとして注目を集めてきた「おウチdeお肉」。実はこのブランド、じわじわと「達人の一品」という新ブランドへの切り替えが進んでいることをご存知でしょうか。今回は、元オーナーたちが集まる撤退オーナー会に潜入し、なぜブランド転換が起きているのか、そしてその裏にある独自すぎるフランチャイズの仕組みについて取材してきました。ロイヤリティも加盟金も取らないという、通常のフランチャイズの常識を覆すような運営体制の実態を、独立開業を検討している方向けにわかりやすく解説します。

「おウチdeお肉」撤退オーナー会に潜入した理由と背景

今回の取材のきっかけは、元「おウチdeお肉」オーナーたちの飲み会でした。すでに一部の店舗では看板が「達人の一品」に掛け替えられており、ブランドとして生まれ変わっている店舗も少なくないとのことです。取材者自身は達人の一品への転換を選んでいないとのことですが、せっかくの機会なので顔を出してみようという軽いノリでの参加だったようです。

現地に向かう途中、実際に看板が変わった店舗を確認できました。壁紙などにはまだ「おウチdeお肉」時代の名残りが色濃く残っており、過渡期にあることがうかがえます。飲み会という限られた時間の中で、達人の一品の正体に迫れるかどうか、緊張感を持ちながら会場となる居酒屋へと向かいました。

看板が達人の一品に変わった店舗外観
おウチdeお肉から看板が掛け替えられた店舗。切り替えが進行中であることがわかります。

店舗はどう変わった?達人の一品の新商品ラインナップを現地チェック

店舗の看板だけでなく、商品ラインナップにも変化が見られました。取材時に紹介されたのは、見慣れないカット済みロールケーキ。小分け50個で3500円という価格設定で、これまでの冷凍食品中心の品揃えとは一線を画す商品が並んでいたようです。

さらに印象的だったのが「ボランティアフランチャイズ」という独自の言葉です。ロイヤリティがゼロで運営されているという説明があり、通常のフランチャイズビジネスの常識とは異なる仕組みであることが早くも示唆されていました。この言葉が飲み会の中で自然に飛び出したことからも、関係者内では既に浸透している概念であることがうかがえます。

新商品のカット済みロールケーキが並ぶ陳列棚
これまでにない新商品として登場したカット済みロールケーキ。品揃えの幅が広がっています。
ボランティアフランチャイズという言葉が語られる場面
ロイヤリティゼロを意味する「ボランティアフランチャイズ」という独自ワードが飛び出しました。

無人販売所オーナーが実践した値下げ戦略で赤字から黒字化した事例

飲み会の会場では、あるオーナーが自身の店舗運営について詳しく語ってくれました。毎日商品を入れ替え、1週間で品揃えを全部組み直すという徹底ぶり。8時から16時まで品出しをしながら、50円単位で価格を変え、どのラインなら売れるかを地道に検証してきたそうです。周辺にスーパーが多い立地では、とにかく他店より安い価格でなければ売れないことがわかり、価格戦略を根本から見直したといいます。

その結果、月商が20万円を切るところまで落ち込んでいた店舗が、先月ついに全店舗ベースで黒字化。ピーク時には17万円台まで落ち込んでいた売上が、約50万円まで回復したとのことです。実に2.5倍以上の伸びとなりました。ただし、直近では再び売上が落ち込む日もあったそうで、理由がよくわからないというのが正直なところのようです。無人販売所ビジネスの難しさと、日々の変動の大きさが垣間見えるエピソードでした。

月商20万円台から50万円まで回復したグラフ的な説明場面
月商20万円割れから約50万円まで回復した具体的な実例が語られました。
牛丼200円などの業界最安値の価格設定が語られる場面
牛丼200円、ハンバーグ250円など、業界内でも突出した安さで勝負している実態が明かされました。

冷凍食品以外で勝負するプライベート商品開発の裏側

値下げによる黒字化に成功した一方で、冷凍食品だけでは今後厳しいという現実的な見立ても語られました。新規参入したばかりの店舗であれば価格勝負ができても、既存の多くのオーナーは同じ土俵で戦うのが難しいという分析です。そこで重要になってくるのが、冷凍食品以外のプライベート商品開発だといいます。

具体例として紹介されたのが、自社開発中のドレッシング「女性フール」です。メーカーに商品化を打診したものの断られたため、自分たちで一から作ることを決意したというエピソードは、無人販売所ビジネスにおける商品開発の本気度を物語っています。さらに、日焼け止めや虫除け成分を配合したオールインワンのハンドクリームなど、アイデア次第で開発部が形にしてくれる体制も整いつつあるとのことでした。

自社開発中のドレッシング女性フールが紹介される場面
メーカーとの交渉が実らず、自社開発に踏み切ったというドレッシング「女性フール」。
オールインハンドクリームの構想が語られる場面
日焼け止めや虫除け成分を配合したオールインワン型ハンドクリームの構想も語られました。

シャンプー・ひのき一枚板など飛び道具商品の利益構造

この店舗ではシャンプーや、天然ひのきを使った一枚板といった、いわゆる飛び道具商品が利益確保の柱になっているといいます。シャンプーは詰め替え用が実は赤字価格で提供されており、本体ボトルでの販売によって全体の利益を確保する構造とのことでした。業界の相場としてはボトルが1530~1540円、詰め替えが1230~1240円あたりで各メーカー横並びになっているそうですが、そこから少しでも値段を下げつつ丁寧に説明すれば、しっかり売れるという実感が語られました。

興味深いのは、大手メーカーであっても1本あたりの利益はせいぜい50円程度しかないという業界構造の話です。冷凍食品も同様で、1個あたり10%、100円以内の利益で勝負しているのが実情だといいます。この薄利多売の構造を理解した上で、飛び道具となる商品をいかに作れるかが、無人販売所ビジネスの生き残りの鍵になるという分析でした。ひのきの一枚板については、仕入れ値がほぼ原価に近い状態で提供されており、あくまで店舗の救済目的で赤字覚悟の支援が行われている点も見逃せません。

大手メーカーでも1本50円の利益しかないと語られる場面
大手メーカーでも1本あたり50円程度の利益しかないという、業界の薄利多売の実態が明かされました。

達人の一品とは何か?井口さんが仕掛けるブランドコンセプト

ここで改めて「達人の一品」というブランドの正体について整理してみましょう。取材に応じてくれた店舗オーナーによると、達人の一品自体には従来のフランチャイズのような「オーナー」や「本部」という明確な概念が存在しないとのことです。単純に、井口さんという人物がデザインした店名であり、井口さん自身が最前線に立って運営を引っ張っている状態だといいます。

目指しているのは、従来の無人販売所の概念を覆すこと。OEMで安価な商品を作ったり、自ら開発したシャンプーやひのきの一枚板を店頭に並べたりしながら、冷凍食品だけにこだわらない品揃えを実現しようとしています。常温商品も含め、その地域のオーナーが置きたいもの、地域住民が必要としているものを揃え、地域に愛される無人販売所を作ることがコンセプトとして掲げられていました。

達人の一品にオーナー制度がないと説明される場面
達人の一品には従来のオーナー制度やフランチャイズ概念が存在しないと説明されました。

加盟金・ロイヤリティなしで開業できる仕組みと自己責任の条件

取材で最も驚かされたのが、加盟金もロイヤリティも一切かからないという運営方針です。裏を返せば、うまくいかなかった場合に本部のせいにする言い訳ができない状態でもあります。誰のせいにもせず、自分の実力のみで店舗運営に向き合える人だけが参加してほしいというメッセージが強調されていました。

取材時点で、達人の一品への移行を決めているオーナーは46店舗にのぼるとのことです。これは全体のおよそ3分の1に相当する規模で、想定以上に多くの元おウチdeお肉オーナーが新ブランドへの切り替えを選んでいることがわかります。ただし現状、外部への公募は一切行っておらず、あくまで元おウチdeお肉のオーナーの中から希望者を募る形にとどまっています。本部のせいにしてしまうタイプの人にはおすすめできないという、はっきりとした線引きもなされていました。

加盟金もロイヤリティも一切ないと明言される場面
加盟金・ロイヤリティともに一切かからないという、異例の運営方針が明言されました。
46店舗が達人の一品へ移行予定と説明される場面
取材時点で46店舗が達人の一品への移行を決めているという具体的な数字が示されました。

本部は何もしない?自己責任フランチャイズで求められるオーナー像

本部は何もしないという発言も印象的でした。これまで語られてきたような商品開発や価格戦略のノウハウ共有は行われているものの、あくまでオーナー自身が主体的に動くことが前提であり、本部からの手取り足取りのサポートは期待できないという姿勢が貫かれています。

この何もしないという言葉を聞いて、実際にはかなり手厚く動いているように見える井口さんの姿とのギャップに驚く場面もありました。それでも、その前提を理解し納得した上で参加できる人でなければ、達人の一品への転換はおすすめできないというメッセージは一貫していました。内装費についても特に決まりはなく、看板さえ変えれば良いという柔軟さがある一方で、店名も必ずしも達人の一品に統一する必要はないという緩やかなルール設計になっている点も特徴的です。

本部は何もしないと明言し自己責任を強調する場面
本部からのサポートに頼らず、自己責任で運営することが求められると明言されました。

今後の収益化計画|発注代行サービスなど将来の有料オプション構想

現状ではロイヤリティを一切取らない方針ですが、将来的な収益化のアイデアも語られていました。その一つが発注代行サービスです。オーナーがLINEで発注したい商品を伝えるだけで、本部側が各業者へ発注を代行してくれるという仕組みで、月額1万円程度の利用料を想定しているとのことでした。

発注業務は無人販売所運営の中でも意外と手間がかかる作業であり、これを代行してもらえるサービスへのニーズは高いと見られます。興味深いのは、月額5万円のような一律のロイヤリティ設定ではなく、発注代行なら1万円、別のサービスなら5000円、また別のオプションなら3万円というように、機能ごとに細かく料金を分けて提供していく構想が語られていた点です。まずはオーナーの負担を増やさない形で支援し、黒字化が進んだ段階で少しずつ有料サービスを充実させていくという段階的なアプローチが取られようとしています。

LINEで発注すれば代行してくれる将来のサービス構想が語られる場面
LINEで発注内容を伝えるだけで代行してくれる、将来の有料サービス構想が語られました。

まとめ|独立開業でロイヤリティ0円フランチャイズを選ぶ際の注意点

今回の潜入取材を通じてわかったのは、達人の一品が単なるブランド刷新ではなく、無人販売所ビジネスの構造そのものを見直そうとする試みだということです。ロイヤリティも加盟金もゼロという条件は独立開業を検討する側にとって非常に魅力的に映りますが、その裏には本部は何もしない、自己責任がすべてという厳しい前提があることも忘れてはいけません。

まずは既存の46店舗が安定して黒字化し、日々のストレスがなくなる状態を作ることが最優先課題として語られていました。儲かる仕組みを一気に広げるのではなく、着実に一つひとつの店舗を立て直してから次の段階に進むという姿勢は、独立開業を目指す方にとっても参考になる部分が多いはずです。ロイヤリティがない、イコール楽に儲かるという安易なイメージだけで飛び込むのではなく、価格戦略やプライベート商品開発など、自ら考え動き続ける覚悟があるかどうかを、しっかり見極めてから判断することをおすすめします。

まずは黒字化しストレスをなくすことが目標と語る場面
まずは既存店舗の黒字化とストレスの軽減を目指すという、地に足のついた方針が語られました。